突然ですが質問です。愛する彼女が実は風俗嬢でした…。あなたは受け入れますか?それとも別れを選びますか?
難しい問題だと思う。さらに難しいのは、客として知り合い付き合うことになったのならまだしも、どこか違うきっかけで出会い、付き合うことになった相手がたまたま風俗嬢だった場合だ。わたしは女性なので、男性の気持ちを完璧に想像することは出来ないが、大きな衝撃があることは容易に分かる。
どこにでもありそうな、だからこそ他人事ではない…そんなお話である。
ケース1.風俗疑惑を持たれているAちゃんの場合
「風俗やってみてもいいかなぁーって思うんだよね」
酔った時、そう言ってしまったのが事の発端だった。
Aちゃんは早番で出勤することが多い人気嬢だ。ロリ系の可愛らしい容姿に、いつも女の子らしいパステルカラーの洋服に身を包んでいる。そのくせ巨乳でしっかりとくびれているので、女性からしても可愛いキャストだった。
そんなAちゃんの彼氏は、もちろん彼女が風俗で働いている事なんて知らない。ただ、疑われているのである。
Aちゃんは日記もマメに更新していて、たくさんの自撮りやエッチな写メがデータフォルダに入っているという。携帯には毎日の出勤連絡、連絡先を交換した常連のお客様からの連絡も入る。そのため、携帯を肌身離さないようにしているらしい。
「なんかね、あたしが寝てるときに…」
Aちゃんは言う。彼氏が勝手にパスコードで携帯のロックを解除しようとしていた、と。かなり疑われている事に間違いはないようだ。
「みんな金ねーんだよ。でも、女だからって楽して体売って高い金稼ごうってその発想にムカつくんだよ。男はできねーからさ」
そう彼は言う。
Aちゃんは何も言い返せなかった。
「きっと、どんな仕事だって、辛いことあるんだよ」
とあるデートの最中の事。
Aちゃんは家から近い唯一の繁華街で働いているのだが、たまたま彼氏とその街でデートすることになった。できれば避けたいものの、遠くへ行くのも不自然である。Aちゃんは彼氏の言うがまま、ホテルに入った。
と、その入り口に顔見知りの客がいたのである。一度接客したことがある客だ。
「…うわっ」
思わず声が出かかったのを抑えた。指名客ではなかったから良かったものの、声をかけられたりしたら気まずい事この上ない。
だが、客は一緒に出てきたキャストの方ばかりを見ており、Aちゃんには気付かなかった。彼氏にも、安心した、動揺した様子は気付かれなかったようだ。
「もう時間の問題なのかな…って思わなくもないんだよね」
少し寂しそうなAちゃん。
「きっと風俗の仕事って、『理解して』って言っても難しいところの方が多いと思う。いくらお客さんとして行ったことがあっても、だからこそ嫌だなって思うこともあるだろうし」
爆弾のような秘密を抱えながら、それでも彼女は風俗をやめることが出来ない。
ケース2.彼氏公認のBちゃんの場合
「知られてるってのは知られてるっていうことでさ、ストレスがたまるんだよね」
Bちゃんはなし崩し的に風俗の仕事を暴露する事になってしまった女性である。昼間の仕事が見つからず、キャバクラに数ヶ月勤めたものの、合わず、続かず、指名も取れない。そこで風俗に移った。当初、彼氏にはキャバクラに勤めていると嘘をついていたという。
「時間も夜だし、ちょうどいいかなって思って」
彼氏は地元の男友達。キャバクラに頻繁に通えるような年齢でもないので、安心しきっていた。だが、問題が起きる事となる。
「仕事帰りに会ったんだよね。そしたら、『なんでキャバクラなのにお前髪セットしてないの、化粧もボロボロなの』って言われて。とっさに言い返せなかったんだ」
それから疑いを持ち始めた彼氏。
ついに、Bちゃんは風俗で働いている事を暴露することにした。彼氏も最初は衝撃を隠せなかったものの、別れるという選択肢までには至らなかったらしい。Bちゃんは一人暮らしをしつつ、頻繁に彼氏と会っている。
「エッチするときに、『お前今日オヤジの相手とかしたの?』とか、乳首触って『ここも誰かに舐められたの?』とかいちいち聞いてくるの。気持ち的にわからなくはないけど、ウザくて」
顔の匂いをかいで、「オヤジの臭いがする」と言ってきた事もあるそうだ。茶化しているつもりかもしれないが、Bちゃんはずいぶんと傷付いていた。やはり喧嘩が絶えないようである。
最後に
風俗の仕事はなかなか辞められない。日払いで高額なことも理由のひとつだが、たとえお茶を引いたり、その日の客引きが悪かったとしても、明日に期待してしまうのだ。
出勤し、客を取ってなんぼのシビアな世界。その日暮らしに慣れてしまうと、まとまったお金を貯めることも難しくなってしまう。
“彼氏は好きだけどやめられない”
そんな現実が風俗嬢にはあるのだ。
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