
【EGweb】運営者江川

某日、俺は新宿にいた。新宿での用事が思いのほか早く終わったため、知人ブロガーの「矢口」氏を誘い、目星を付けておいた店を回ろうと考えた。
彼は快く承諾してくれた。そして、新宿駅前の電気屋「ビックカメラ」で待ち合わせと相成った。
数十分後、矢口氏が到着する。軽い挨拶を交わし、
ところが、目当ての店はいずれも女の子の出勤人数が少なく、満足に楽しめない状況。仕方なく利用を諦め、周辺を当てもなくフラフラと彷徨っていた。
白光する看板には『相席屋』の文字が
日も暮れてきた頃、ふと白い光を放つ店を発見した。

眩しい看板に目を向けると、『相席屋』と書かれている。
噂には聞いたことがあった。「女性と相席できる居酒屋がある」と。
俺「矢口さん、この店知ってます?」
矢口氏「いや、初めて見ましたね」
すると、相席屋の客引きが声を掛けてきた。
客引き「相席屋どうですか?今ならすぐに女性の方と相席できますよ!」
俺「面白そうじゃないですか?ちょっと入ってみません?w」
矢口氏「そうしましょうかw」
早速、店の中へ入って行く。

【出典:『相席屋』新宿歌舞伎町店】
店内は通常の居酒屋と変わらない造りで、簾(すだれ)で仕切られた半個室のスペースが8つ程あるだろうか。男女の声が飛び交い、比較的賑やかな印象を受けた。
酒好きの女性にとってはまさにオアシス
店員「いらっしゃいませー!」
ガテン系で色黒の30代前半らしき男性店員がお出迎え。
俺「2人なんですけど」
店員「大丈夫ですよ!当店は男性は飲み放題で30分1,500円となっていまして、ご注文されたお料理代は別途頂きます。自動延長制ですので、その点はご注意下さい!」
相席屋のコンセプトは『一期一会』。見知らぬ異性と同席することで、新たな出会いの場を提供する居酒屋だ。
システムは下記の通り。
『相席屋』利用の流れ
1.入店後、店員が相席状況を確認し、ヒヤリングを基に客を案内する。
※利用客の男女比率によっては相席にならない(または男性客2人と女性客1人等になる)場合がある。
2.席に着いたら軽く自己紹介をする(任意)。
3.ノッてきたら罰ゲーム料理やパーティーグッズで盛り上がる(任意)。
※「罰ゲーム料理」にはロシアンたこ焼き、お仕置きビスケット、スパルタナゲットなどがある。
4.仲良くなったら連絡先を交換し、二次会へGO!
ちなみに、相席ではない場合は各種単品(飲み物は1杯500円)での注文となる。女性と同席できない上、飲み放題にもならないのだから何とも切ない話である。「相席になりませんが…」と言われたら、速やかに退散するのが賢明だ。
俺「ちなみに、女性の料金はいくらですか?」
店員「女性は無料で飲み放題となっています」
店の外観写真を見た時点で気付いた読者もいるだろう。
そう、相席屋の凄いところは、「女性客は酒代がタダ」という点にある(料理代は別途発生する)。

※『相席屋』の料金システム。男性は30分飲み放題1,500円、女性は時間無制限飲み放題0円(いずれも相席時の場合)。
我々男性陣には無縁の話だが、やはりこの手の商売は女性上位の世界となる。一般社会では「女性」というだけで待遇や出世に響く事もあるだろうが、こと“出会いビジネス”においては、女性は圧倒的な強者なのだ。
相席屋に限らず、女性を優遇する店は枚挙に暇がない。類似の業態では「出会い喫茶」がそのいい例だ。出会い喫茶の女性客は、PC・漫画の利用、お菓子やジュースなどの軽食が全て無料となっている。
一方、相席屋の場合は酒が無料で飲み放題。これは酒好きの女性にとってはまさにオアシスと言えよう。
ちなみに、今月3日にオープンしたばかりの「すすきの店」では、女性は食べ放題飲み放題が0円だ(ただし、ビュッフェの料理に限る)。札幌に住んでいる女性は、相席屋に駆け込めばタダで腹を満たすことが出来るだろう。
俺「相席した場合、会計は女性の分も払うんですか?」
店員「いえ、お会計は別々ですのでご安心下さい(笑)」
22時17分、俺と矢口氏は晴れて女性のいる席へと案内された。
仕事帰りの「薄幸女」と「ポッチャリ女」

半個室に入ると、壁側の席に2人の女性が座っていた。パッと見は同年代(20代後半)くらいの彼女たちは、テーブルの上にジョッキと料理を広げ、飲食をしながら会話を楽しんでいた。
テーブルの上に置かれた料理は、彼女たちが頼んだ物ではあるまい。おそらく、俺たちが席に着く前に彼女たちの機嫌を取るため、または「あわよくば」を狙った男性が注文し、そして散った証なのだ。
これだけ料理が余っているのなら、わざわざ俺たちが奢る必要は無いだろう。
俺「すみません、お邪魔しますw」
そう言い、矢口氏と共に着席する。
女性2人「よろしく~」
軽く自己紹介を行った後、改めて2人を見る。
向かって左側の女性は色白で幸の薄そうな顔をしており(以下、薄幸女)、右側の女性は全体的にふくよかで、いかにも「ご飯食べに来ました」的な雰囲気を醸し出している(以下、ポッチャリ女)。芸能人に例えたいのだが、俺はTVを一切見ないため、似ている人物が分からない。
ルックスは2人とも中の下、ヤれるかと問われれば頷ける容姿だ。
俺「お2人は友達同士なんですか?」
薄幸女「同僚なんで、まぁそんな感じです(笑)」
聞けば彼女たちはOLをしていて、つい最近『相席屋』の存在を知り、仕事帰りに通うようになったのだとか。来店は今日で2回目、二次会及びお持ち帰りをされた経験は無いらしい。
年齢は薄幸女が31歳。ポッチャリ女が28歳。俺の予想はおおよそ当たっていた。
俺は基本的に合コンは好きじゃない。と言うより、飲みの場で初対面の女性と仲良くなるのが面倒臭く、加えてノリに合わせることが苦痛で仕方がなかった。大学時代、三度合コンに参加したものの、その場の空気に耐えられず、友人に「マジで代わってくれ」と電話を掛けたほどだ。
現在、その「合コン恐怖症」は改善されている。大抵のノリには付いていけるようになり、仕事柄、以前よりも話を「振る」技術が向上したからだ。
2対1だと女の子が大変だよね
ビールを飲みながら、4人で他愛もない会話をする。出身地、仕事、結婚の話などをしている内に緊張は解け、身内の飲み会のような雰囲気になってきた。
今回、俺たちは「お持ち帰り」を狙わない(そもそも終電が近いため、時間の余裕も無い)。そして、目の前にいる2人に対しては、それだけの労力を費やそうとは思わない。
俺と矢口氏は、ひたすら情報収集に徹した。
俺「2人はココに何目的で来てるの?」
ポッチャリ女「特に目的とかは無いかなー、仕事終わりの暇潰しだしwいい人がいたら二次会行くかもだけどw」
矢口氏「そうなんだ。『いい人』はいた?」
薄幸女「まだ来たの2回目だしいないよ(笑)○○(ポッチャリ女)は住みが近いから二次会行けるけど、私は(最寄り駅が)遠いから無理かな」
ふと横を見ると、簾の隙間から隣の半個室の様子が見えた。男性客2人、女性客1人の逆ハーレム状態になっている。
俺「隣、女性1人しかいないね」
ポッチャリ女「絶対相席できるわけじゃないからそういうこともあるよ。でも、あーなると女の子が大変だよね」
俺「まぁ確かに、1人で2人と話さなきゃいけないしねw」
ポッチャリ女「てか、見すぎww」
最初は微妙だなと思っていたのだが、やはり酒を飲みながらの会話は楽しいものだ。例え相手が薄幸女とポッチャリ女でも、学生時代の懐かしい感覚が蘇る。
ちなみにこの相席屋、男性・女性ともに飲み放題なのは前述の通りだが、2杯目以降はセルフサービスとなる。
俺「矢口さん、新しい飲み物持って来ません?」
矢口氏「飲み物入れに行きましょうか」
通路にて。
俺「もうすぐ30分になります。自動延長制ですし、そろそろ出ましょうか」
矢口氏「頃合ですねw」
席に戻り、2杯目の酒を飲み終えた後、彼女たちに退店の旨を告げる。
俺「終電近いしそろそろ出るわ。ありがとね!」
薄幸女「はーい、こちらこそありがとね」
俺「あんまり飲み過ぎないようにねw」
ポッチャリ女「アタシ見ながら言わないでよww」
俺たちは1,500円の飲み代を支払い、退店した。
『相席屋』の客引きが教える3つの裏情報
店を出ると、冒頭の客引きが話し掛けてきた。
客引き「どうでしたか?」
俺「中々無い店なので、面白かったですよw」
しばし立ち話に興じる。
その過程で、有益な情報を得ることが出来たのでお伝えしよう。
1.飯目的の女性客は「メシブタ」と呼ばれている
『相席屋』の女性客はタダで飲み放題な上、男性客に料理を奢って貰えることもままある。そのため、やはり「飯目的」で来店する女性も多いそうだ。
スタッフの間では、そのような女性客を「メシブタ」と呼んでいる(ちなみに出会い喫茶では、飲食目的で出かけたり、金銭目的で男性と性行為をした後、店に戻る女性を「回転嬢」と呼ぶ)。
当然、「メシブタ」に当たるとお持ち帰りは期待できない。相席屋でオイシイ思いをするためには、彼女たちを避ける必要があるのだ。
2.「メシブタ」の当否はテーブルの料理数で判断せよ
それでは、お持ち帰りの妨げとなる「メシブタ」を見極める方法はあるのだろうか。100%とは言えないが、客引きから聞いたテクニックを書き記そう。
メシブタか否かを判断するポイントは、テーブル上の料理にある。
料理が数多く残っていたら、男性客に注文をさせ、居座り続けているメシブタの可能性が高い。
余談だが、相席相手が気に入らない場合は、スタッフに相談することで席を変えられるケースがある。しかし、それはデリヘル嬢に対する「チェンジ」と同義だ。
メシブタに当たったと感じたら、その場はやり過ごし、適当に時間を潰して再来店するのが良いだろう。
逆に料理の数が少ない、もしくは全く残っていない状態なら、飯目的ではない、あるいは満腹なため、お持ち帰りの期待度高。
席に着いたら、まずはテーブルをチェックしてみよう。
3.「あわよくば」を狙うなら終電間際に入店すべし
『相席屋』の女性客との二次会、または「お持ち帰り」を狙うのなら、終電間際の来店がおススメだ。この時間帯に店内にいる女性は、終電を逃したか始発待ちがほとんどで、暇を持て余している状態とのこと。
そのため、メシブタでない限り、意気投合すればしけ込める可能性が飛躍的に高まるのだ。
最後に
婚活応援酒場、『相席屋』。そこは多くの男女が出会いを求めて集う場所だった。ある者は女性客との一夜を狙い、ある者は刺激的な飲み会を楽しみ、繁華街へと消えて行く。
そして水面下では、「ヤリモク」の男性と「メシブタ」の攻防が密かに繰り広げられている。
いずれにしろ、出会いの幅が広がることは間違いない。異性と接する場が少なく、マンネリ化した日常に退屈しているのなら、一度足を運んでみてはいかがだろうか。
余談だが、相席屋には類似の“ボッタクリ居酒屋”が存在する。利用の際は、事前に公式HPで営業店舗をチェックしておこう。
女性客をモノに出来た読者の一報を待つ。
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