私は『PCMAX』で多くの女性と会ってきたが、顔や姿を一番ハッキリ覚えているのは「ミクちゃん(仮名)」だ。
なぜなら、名前を検索すれば、今でも画像が出てくるからである。
…彼女は、ネット上で活躍するコスプレイヤーなのだ。
この子は「いたいけ」じゃない。「痛い系」だ
私がいつものように
パンチラ見れなくて死にそうです。助けてください。
という、人間として情けない募集を掛けていると、初音ミクのコスプレ写真をプロフ画像にしている女の子からメールが来た。
ハンドルネームは「水無月ミク」。いかにも漫画のキャラのような大袈裟な名前で、プロフもオタク趣味全開。書いてある内容の半分も理解できなかった。
(うむ。これは面白い子からメールが来たもんだ!)
私は喜び、すぐに会う約束をした。
いきなり知らない人の車に乗るのは怖いです。
とのことで、駅前のカラオケボックスの前で待ち合わせ。
私が待ち合わせ時間の10分ほど前に着き、携帯を弄りながら待っていると、中学生くらいの女の子が目に入る。
『この中学生、なんかやたらこっち見てくんなぁ。俺が不審者っぽいのかなぁ…』と考えていると、その子が声を掛けてきた。
「あのっ、Mさんですか?」
「えっ、あっ、あのっ、ミクさん!?」
推定身長150cm。どう見ても中学生にしか見えない、そのいたいけな少女が「ミクちゃん」だった。
プロフ画像は目を大きくしたり、相当加工しているのだろう。想像よりもかなり地味な雰囲気だったので驚いた。
それにしてもこの子のビジュアル…あまりにも幼い。知人に見られたら確実に援助交際だと誤解される。
私は少し急いでフロントへ行った。
セカセカした人だと思われたかもしれない。
「機種は何になさいますか?」
(なんでもいい…!すこぶるどれでもいい…!)
「あ、どれでも…」
そう言おうとすると、ミクちゃんが身を乗り出した。
「JOYSOUNDじゃなきゃダメです!」
「あ、そうなの?」
「はい!ニコニコ動画の曲とか、初音ミクの曲まで入ってるのはJOYSOUNDだけなんです!」
(あぁ…この子は「いたいけ」じゃない。「痛い系」だ…)
脳内で親父ギャグをかましながら受付を続ける。
「ドリンクバーはどうなs」
「付けて下さい(食い気味)」
店員がドアを開けて入ってくる時の、あの何とも言えない空気が好きじゃない。
そもそも、今からパンチラ御開帳の儀を執り行うのだ。
神聖な儀式の邪魔をされてはかなわない。
ラルクをここまでちゃんと歌える人、私の周りにいないです…
彼女は部屋に入ると、コートを手早く脱いだ。
上はセーター、下はAKBが履いているようなヒラヒラしたミニスカ。
この手のミニスカはふわっとパンツに被さるので、対面に座ってもパンチラにならない事が多い。
彼女は真正面に、割と行儀悪く脚を開き気味に座ったが、案の定パンツは見えなかった。
(まぁいいか…しばらく普通にカラオケしよう)
彼女は初音ミクの曲を、手慣れた感じでピピッと入力した。
(…知らん。全く知らん)
歌い終わっても私が入れないので、彼女は曲のリクエストを言ってきた。
「ヒャダインとかわかりますか?」
(知らん。氷結系の全体攻撃呪文のことだろうか。ブライ万歳)
「JAMとかは?」
(イエモンのJAMなら知ってる。あと、ジュディマリの略という意味なら知ってる)
「影山ヒロノブさんがリーダーのバンドです」
(知らん)
「アニソンならどんなのがわかりますか?」
私は最近のアニメで歌える曲が無いか、記憶を辿った。
・残酷な天使のテーゼ(新世紀エヴァンゲリオン)
・奈落の花(ひぐらしのなく頃に解)
・ハレ晴レユカイ(涼宮ハルヒの憂鬱)
・コネクト(魔法少女まどかマギカ)
全部女性ボーカルやんけ!!!!
萌え至上主義も大概にして欲しい。
「私が知らない曲でも気にしなくていいですよ。私もMさんが知らない曲しか歌わないですから」
「うむ。でもとりあえずもう1曲入れて。ちょっと探すから」
彼女はまたパパパッと初音ミクの曲を入れて、全力で歌い始めた。
その間に「ジャンル→アニメ」で検索して探す。
(90年代の歌じゃ知らないだろうなー…)
ペチペチと「次ページ」を押していると、鋼の錬金術師の主題歌の「READY STEADY GO」が目に留まった。ラルクの曲だ。
これは別にアニメを見ていたからではなく、単にラルクの曲だから知っているのだ(アニメの主題歌だったことは検索で知った)。
画面に鋼の錬金術師のアニメが流れる。
「お-、ハガレン超好きですよ!」と彼女は喜んだ。
(良かった。頑張ってアニソン探したのに「知らない」とか言われたら泣く)
彼女が先に全力で歌ってくれていたので、恥ずかしさも無く、私も本気で歌った。
歌い終わると、彼女は目を見開いていた。
「すごいです…」
「ラルクをここまでちゃんと歌える人、私の周りにいないです…」
(おお良かった…高評価だ)
ラルクは真剣に歌えば歌うほどキモいので、物凄く引かれる事もある諸刃の剣。
「絶対JAMとか歌ったら合いますよ!次回までに『未来への咆哮』を覚えてきてください!」
彼女は頬を紅潮させて興奮気味に言った。
一期一会の出会い系で「次回」と言われたことが嬉しくて、私は力強く快諾した。
恥ずかしくないパンツに、見る価値無し
その後も何曲か歌っていると、あっという間に残り5分となってしまった。
すると、彼女の方から「そういえばパンチラどうしますか?」と聞いてきた。
「とりあえずイスの上に体育座りしてみて」と伝えると、彼女は少し恥ずかしそうに、足をイスの上に乗せた。
ピンク色のテカテカしたパンツが露わになる。
彼女の幼い雰囲気からすれば、きっと綿のパンツに違いないと勝手に決めつけていたのだが、残念ながらその期待は脆くも裏切られた。
思っている以上に綿パンツの絶滅は進行しているようだ。ワシントン条約の保護指定に認定してもらわなければならない。
私は正直に「テカテカしたパンツはあまり好きじゃない」と伝え、「いかにも昔から履いてるんですよ的な、ガキンチョみたいな綿のパンツが燃える」と説明した。
彼女は残念そうに口を尖らせ、
「えー!どっちかというと、私が持ってるのはそういう綿のパンツの方が多いんですよ!今日は見せないといけないから、あんまり恥ずかしくないちゃんとしたのを履いてきたんですけど、逆だったんですね…」
と落胆した。
『恥ずかしくないパンツに、見る価値無し』
見られたら恥ずかしい物だから、見えた時に嬉しいんじゃないか。
見られて恥ずかしくないパンツは「短パン」である。
そういうわけで、私はJAMの「未来への咆哮」を覚えること。
彼女は普段の綿パンツを履いて来ること。
それぞれを約束し、この日は解散となった。
帰宅後、彼女のハンドルネーム「水無月ミク」が気になって検索してみた。
もし何かのキャラであれば、そのアニメの主題歌を覚えて行けばウケがいいだろうと思ったからだ。
すると、一番上に『コスプレイヤーズアーカイブ』というサイトがヒットした。
コスプレイヤーと撮影者達が交流するためのSNSサイトらしい。
その中に「水無月ミク」がいた。
プロフ写真はPCMAXと同じ。
他にもいくつかの写真が掲載されており、今日会った彼女に間違いなかった。
(…おいおい。これって、コスプレイヤーとして活動する時と同じハンドルネームでPCMAXやってるってこと?)
なんという無防備。
なんという世間知らず。
なんという…純粋さ?
私はPCMAXにログインし、大して何も考えずに
今日はありがとー。コスプレイヤーズアーカイブ見たよー。色々コスプレやってるのね。また次回よろしくねー。
と簡単なメッセージを送信した。
その1分後。
マジキモい!!!!検索したんですか!?
ストーカーですか?ホントにやめてください!!!!
げ、と思って返信しようとすると、
『このユーザーとはやり取りできません』
そう、「お断りリスト」に入れられたのだ。
管理人の補足「お断りリスト」とは?
『PCMAX』内で対人トラブル等に遭った場合に相手をブロックする(閲覧不可能にする)機能を指す。
「お断りリスト」に登録されたユーザーは、相手の掲示板・プロフィール・日記・メール送信などのコンテンツが閲覧/利用できなくなる。
(嘘でしょ?あああああ!)
漫画のカイジに登場するような、「ぐにゃあ」という状態になった。
まっすぐ椅子に座っていられない。
なんて軽率な事をしてしまったんだ。
「検索されてしまった」
「ストーカーされるかもしれない」
「また男の人に勘違いさせてしまった」
今頃、ミクちゃんは恐怖と焦りに震えているのだ。
(あああ謝りたい…。悪気は無いし、ストーキングするつもりも無いと…謝りたい……!)
しかし、お断りリストに入ってしまった以上、もうどうすることも出来なかった。
私は、自己嫌悪、反省、後悔の念に苛まれながら一週間を過ごした。
この空気でもまだ「パンチラ会」やってくれるの!?
一週間後──。
突然、ミクちゃんからメッセージが届いた。
もう、私のこと詮索したりしませんか?
いつの間にかお断り設定は解除されていた。
ハンドルネームは変わっていたが、プロフがそのままだったのですぐに分かった。
私は全力で謝罪のメールを送った。
「申し訳なかった」、「怖い思いをさせて反省している」云々。
低頭平身謝った。
本当に申し訳ないと思ってますか?
思ってます…。
じゃあ、Mさんの本名を教えてください。
(へ?)
Mさんは、私のコスプレイヤーとしての名前を知ってしまいました。
だから、ネットに「水無月ミクは出会い系やってる。淫乱。変態」とか晒して、私にダメージを与える事が出来るわけじゃないですか。
私は今、そういうリスクを抱えてるんですよ。
私が「PCMAXのMさんは変態だ」と晒したところで、Mさんは退会すればそれで終わりでしょう?
不公平です…。だから、Mさんの本名を教えてください。また何か変な事されたら…本名晒します。人質みたいなものです。
(うむ…なるほど…)
まず一つ誤解が有るな。
そもそも『PCMAXのMさんは変態だ』と晒されても私にダメージは無い。
だって変態だから。
それはさておき、本名がバレるのは困る。
結構珍しい名前なんだ。たぶん同姓同名がいない。
コスプレイヤーだって、何かあったらハンドルネームを変えればいいんだから、本名とは重みが違いすぎる。
私が「本名は困る」と伝えると、「じゃあ自宅を教えてください」と言ってきた。
何か変な事したら、私の怖い友達を向かわせます。
(ふむ…。住所知られちゃったら、本名調べる方法はいくらでも有りそうだが…)
先に怖い思いをさせてしまった引け目が有る以上、私もある程度は彼女の提案を飲まざるを得ない。
私が「分かった」と承諾すると、
じゃあ次回のパンチラ会は、Mさんの自宅でやりましょう。
とメッセージを送ってきた。
(え、この空気でもまだ「パンチラ会」やってくれるの!?)
彼女の思考回路が今一つ理解できないと思いつつ、次回の日程を決め、車で迎えに行く約束をしたのだった。
オスッ、隊長!お久しぶりであります!
待ち合わせの日。
正直、ビクビクしていた。
怖い人が登場するのではないかと。
待ち合わせ場所に向かい、念のため車のエンジンをかけたまま待機。ミクちゃんが一人じゃなかったら逃げよう。
車に乗ったまま、駅のロータリーで階段から降りてくる人を眺める…。
すると、ひときわ背の小さい子を見つけた。間違いない。ミクちゃんだ。
(一人だ。良かった)
「着きましたー」とメールが入る。
私は車から降り、彼女を出迎えた。
彼女は、右手の指をまっすぐに伸ばして右のこめかみに当て、敬礼のポーズを取ると、そこそこ大きな声で言った。
「オスッ、隊長!お久しぶりであります!」
キャラが崩壊している。誰なんだ君は。
…素の自分で人と接するのが苦手なのか。
緊張すると、二次元のキャラっぽい口調・言動になるんだろうか。
…理解はするが、実際にやられるとフリーズするしかなかった。
私は知人に見られる事を恐れて、特にリアクションもせず彼女をさっさと車に乗せた。
車を走らせながら、ハンドルネームを検索してしまった非礼を詫びた。
「ホントに怖かったです。もう絶対しないでください。…でも、もうそれはいいです。同じハンドルネームで出会い系やってた私も悪いですから…」
良かった。そう言って貰えると気が楽だ。
…それにしても…車に乗る時から気になっていたのだが、なんだろう。彼女の大荷物。
彼女は、小旅行にでも行くような割と大きめのバッグを抱えていた。
「随分大きな荷物だね。買い物でもしてきたの?」
「これは秘密なんですよー。ヒントはMさんが喜びそうな物です!」
(…めんどくせえ…)
多分、コスプレ衣装だろう。
だが、コスプレ衣装のパンチラは減点だ。
なぜなら、パンツも含めて衣装…みたいな部分が有るから。
初音ミクなら、白と水色の縞々パンツを履く。
「見られる前提のパンツ」は、リアリティが薄れる…。
3分で自宅に到着。
そもそも、普通なら車を出す必要すら無い距離だった。
私は彼女を自宅に招き入れ、お茶を入れた。と言っても、烏龍茶をコップに注いだだけだが。
彼女は「トイレ借ります」と言い、バッグを抱えたままトイレに入って行った。
コスプレに着替えるのだろう。
「着替えるなら風呂場の方が広い…」と言いかけたが、彼女が「バッグの中身は秘密です」と言っている以上、それを言うのは無粋だ。
私はしばらく待った。
昨日のうちに片付けておいたから、特にすることは無い。
念のため、手の届く位置にコンドームが有ることを確認した。
これは別にセックスをしようと思って置いているわけではない。パンチラを見ながらオナニーするにあたり、射精の瞬間に「ティッシュを用意しなければ」と意識するのがイヤなのだ。
射精のその瞬間まで、ただひたすら純朴に布のことを考えていたい…。
その思いから、私はオナニー時はコンドームを嵌めるようにしている。
私はただただ、彼女が出てくるのを待った。
多分、「ジャーン」とか言いながら登場するんだろう。
人を踏むなんて初めてです
しばらくすると、制服に身を包んだ彼女が姿を現した。
「ジャーン」
予想が100%当たった。登場時のセリフまで一緒だ。
私は大げさに喜んだリアクションをして見せた。
しかし、随分艶かしい制服だ。
(ドンキホーテで売ってるようなペラペラな衣装とは違う…さすが本業のコスプレイヤーだなぁ…)
そう思って眺めていると、胸の校章に目が留まった。
(普段よく見る制服…これはもしかして…普通に地元の中学の制服じゃないか?)
私は念のため聞いてみた。
「凄いちゃんとしたコスだね。どこで買ったの?」
「これ、コスじゃないんですよ。私が中学の時に着てた本物の制服なのです!」
(やっぱりそうか。所々テカテカしてるし)
スカートの丈も短すぎず、かなり生々しい。
校章で出身中学までバレてしまったわけだが…どうもこの子は個人情報ガード能力が甘い。
とは言え、この制服はパンチラ委員会では減点にならない。
コスプレではなく、自分の服というのはグッド。
私はさっそく、彼女に体育座りをオーダーした。
「全校集会で体育館に座らされた時の座り方、やってみて。男子からパンチラが見られないように意識しながら座ってみて」
我ながらキモい。記事に書き起こすのが恥ずかしい。
彼女はスカートをヒザに掛け、引っ張り、足を閉じて、極力見えないように体育座りをした。
確かに真正面からは見えないが、少し斜めの角度から見ると丸見えだ。
白地にピンク色のドットが入っている、可愛らしい綿のパンツだった。
全校集会で、男子が女子列のパンチラを見ようとして後ろを振り返る時、角度は斜めだ。真正面じゃない。このガードの仕方だと、クラスの男子からは丸見えだっただろう。
「見えちゃってる」
私は息を荒くしながら彼女に伝えた。
「えええ、これって見えるんですか!?私からは全然見えないのに!」
当たり前だ。自分の目線で見えてたまるか。
私は、彼女が同級生達にパンチラを見られまくっていたであろう事を想像し、激しく興奮した。
自分の乳首を弄り、ますます鼻息を荒くする。
私からの次の指示が無いので、彼女は困惑していた。
「次はぁ…どうしたらいいですか?」
正直、この「斜めからちょっと見えてる」状態だけでも十分なのだが…。
せっかくなので、色々やって貰うことにした。
「じゃあ…枕元に立って」
私は布団に寝そべり、彼女を手招きした。
彼女が枕元に立つと、ちょうどスカートの中を下から見上げる形になり、パンツの全体がよく見えた。
「はぁ…はぁ…すっごい見えてる…」
身悶えする私を見下ろしながら、彼女ははにかみ、
「すっごいキモいですー」
と嬉しがった。
気持ち良さそうにもがく私に対して、彼女はただ立っているだけ。飽きるだろうなと思い、追加の指示を出した。
「踏んで…顔、踏んで…」
私は別にドMではない。
踏まれる痛みに興奮などしないが、彼女が人を踏む事によって楽しんでくれるかもしれないと思ったのだ。
「人を踏むなんて初めてです」
彼女は、恥ずかしさとも嬉しさとも受け取れる微妙な表情をした。
「思いきって踏んでくれたらいいよ」
私はそう言って、少し所在なさげに下半身をモゾモゾさせた。
仰向けで寝そべっている体勢では、勃起している事があまりにも目立ってしまうので、少し恥ずかしさを感じ、股間を横に向けようとしたのだ。
彼女はそんな私を見て、いや、私の股間を見て嬉しそうに言った。
「変態ですねぇ」
踏み付ける事により、彼女は脚を少し持ち上げる体勢になったため、パンツの股間部分がますます大きく見えた。
パンツの無い股間は、ただの排泄物の出入り口
彼女は私を踏みながら、少しずつ息が荒くなっていった。
「変態。キモいですよ」
「パンツの何がいいんですか、このド変態」
私をけなす言葉を次々と投げ掛けながら、彼女が少しずつトリップしていくのが伝わってきた。
彼女の中のS性が目覚めているのだ。
罵倒と敬語のアンバランスさが、まだ目覚め過ぎていない初々しさを感じさせた。
私が自分の乳首を弄っている事に気が付いた彼女は、私の顔の左右にヒザを突き、ヒザ立ちの状態になって、私の乳首を両手で弄り始めた。
パンツと顔の距離が30cm位に急激に近付く。
「白地にピンクのドット」と思ったパンツだったが、至近距離になって初めて、そのドットは小さなハートマークであることが分かり、ますます興奮した。
「ホントに変態ですねぇ~…キモイキモイ…」
乳首を弄れば弄るほど、私の股間がビクンビクンと反応するのが楽しいらしく、彼女の動きはどんどん激しくなっていった。
「ヒザ立ちって結構疲れるんですよ。この変態…座っちゃいますね…」
そう言うと、彼女はそのままペタンと腰を下ろした。
つまり、私の顔に全体重を掛け、パンツを乗せる体勢だ。
綿の柔らかい感触。
パンツに付いた無数の毛玉が、昔から履いているパンツであることを物語っていた。
(…嬉しい)
私に見せるために、昨日今日で買ったようなパンツじゃない。
毛玉の親父の存在に、キモ太郎の股間の妖怪アンテナは垂直近くまで反応してしまう。
私の口が、ちょうど彼女のクリトリスの位置に当たり、私が息を吐くたびに彼女は切なそうな声を出した。
それにしても…苦しい。
呼吸が全てパンツに吸い込まれてしまう。
私の呼吸が荒くなればなるほど、彼女の股間に刺激が有るらしく、彼女の乳首弄りが激しさを増した。
それと共に、急激にパンツが湿り気を帯びてきた。
私の呼吸は、まるで彼女の中から溢れてきた蜜を、必死に吸い出そうとするような状態になっていた。
私が息を吐くと彼女は「あぁ…」と声を出し、私が息を吸うと彼女は「ぃぃ…」と声を出す。
彼女はいつしか、自分で腰を動かしていた。
「キモイ…キモイ…きもち…いい」
ふと、胸元に水滴が落ちてきたのを感じた。
…唾液だ。
恍惚状態になった彼女が、ヨダレを垂れ流しているのだ。
妖怪「ツバかけ婆」だ。
火照った体に、水滴のひんやりとした刺激が心地いい。
ツバかけ婆の妖気に、股間の妖怪アンテナはもう限界ギリギリだった。少しでも刺激を与えたら射精するだろう。
(危ない。出る)
私はコンドームを手に取り、嵌めようとした。
すると、彼女はウットリした顔で
「ぁぁ…早く入れて…」
と言い、そのままゴロンと布団に横たわった。
私がコンドームを手に取ったのが、挿入の準備だと勘違いしたのだ。
事前に説明していなければ、確かにそう思うのも無理はない。
彼女は自らパンツを脱ぎ捨てた。
困った。
入れるつもりは無い。
薄く毛の生えた彼女の股間を見ながら、私は急速に萎えていた。
パンツの無い股間は、ただの排泄物の出入り口…。
ゲゲゲのキモ太郎は、せめて脱いだパンツだけでも視界に入れれば復活するかと思い、必死にパンツを探した。
しかし、毛玉の親父は部屋の隅でふてくされて転がっているだけで、既に妖気を発しておらず、私のアンテナはもはや反応しなかった。
私が萎えてしまっている事に気付いた彼女は、悲しそうな顔をして言った。
「変態…」
先ほどまでの恍惚の表情で言っていた「変態」とは明らかに違う、愛の無い軽蔑の言葉だった。
その後、彼女はゆっくりと着替え、ほとんど会話も無いまま車に乗せ、駅前まで送り、そして別れた。
最後に
彼女とはそれっきり。
結局、「未来への咆哮」を聞かせる機会は来なかった。
まだ『PCMAX』を使っているのかどうかも、もう分からない。
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