ライターチャン小林
事務所となるマンスリーマンションが決まり、キャストも手配したことで、援デリを開業する準備は整った。そして、遂に新宿で援デリを立ち上げることが出来たのである。
しかし、O氏は「新宿は日本で一番援デリ業者が集まってるから、競争は結構厳しいわ」と、いつもの自信に満ちた顔ではなかった。その表情からは、リアルな厳しさが伝わってきた。
アジア一の歓楽街である新宿は、日本人以外の援デリ業者が多数存在し、更には業者同士の客の奪い合いも日常茶飯事だったのだ。実際にO氏と筆者も、早々に経験する事になるのであった。
新宿で最も荒れている場所、新宿区役所エリア
営業にあたり、新宿で待ち合わせに使う場所を決めることにした。そして、O氏が他のグループと話し合いをして確保することになった。
新宿の援デリ業者が使う待ち合わせ場所は大体決まっており、大きく5つに分けられる。日本人の業者は、主に下記の場所を使っているのである。
新宿の援デリ業者が使う待ち合わせ場所
①西部新宿駅付近
②ドンキホーテ前
③花園神社
④新宿区役所付近
⑤新宿区役所向かいのミスタードーナツ前
駅前は援デリ業者にとってリスクが高い。そのため、駅から離れていて、尚且つラブホテルが近くにある場所が基本的な条件である。
O氏と筆者が使える待ち合わせ場所は、⑤のミスタードーナツ前になったのだが…実はこの一帯は、中国人や韓国人の援デリ業者が巣食う場所だったのだ。
そして、この場所こそが、新宿で一番荒れているエリアなのである。中国人や韓国人が営業する援デリ業者は、自分達で客を探すことをせず、他の援デリ業者がアポを取り、待ち合わせ場所に来た客を横取りする事で有名だったのだ。
中韓の援デリ業者は目立たない所に隠れていて、中々見付けられない事が多く、日本人の援デリ業者はその実態を掴めないまま、被害だけが増えている状況であった。
客を横取りされる日々
心機一転、新宿の事務所で営業を再開してみると、池袋に比べて客が落ちやすい(アポを取り付けやすい)のだ。サラリーマンが会社帰りに新宿に寄ることが多いのか、O氏も筆者も会う約束は簡単に取れていくのだった。
出会い系サイトを介して探した客に、『業者じゃない』と信じ込ませる効果的な手段は、客に電話をすることである。客から電話番号を聞き、キャストに非通知で掛けさせると、ほとんどの客はあっさりと信じてしまうのだ。
番号を教えるのを嫌がる場合は、LINEなどの無料通話を利用して行うのである。
スタッフはO氏と筆者しかいないので、とにかくすぐに番号を聞き、キャストに掛けさせるを繰り返しては、客を待ち合わせ場所に誘導していた。
だがある日、「待ち合わせ場所に着いた」と客から連絡が来て、キャストを向かわせると誰もいないのだ。
最初は冷やかしだと思っていたのだが、同じ事が何度も続き、オカシイと思い始めてきたO氏と筆者。そこに、連絡が途絶えた客からのメッセージを受信して驚いた。
客『あれ?今まで一緒にいたじゃん』
O氏『え?そんなはずないよ。どこに行ってたの?』
客『●●の501号室でシタじゃん』
他の客からも同じようなメッセージが届く事に…。ここで、ようやく客を横取りされていた事に気付いたのである。
客にどんな女性かを聞いてみると、日本語はカタコトだったが、思ったよりも美人だから付いて行ってしまったという事なのだ。
自分達の客を取られた事に怒りを覚えても、援デリ業者は警察に相談するなんて100%出来ない…。横取りする業者は、それを理解した上で客を奪っているのである。
何も出来ずにいるO氏と筆者は、新宿で援デリを運営する厳しさを知る事となった。
しかし、この後に援デリ業界で有名な一人の女性と出会い、この危機を救ってくれることになるのだが、同時に爆弾を抱える事にもなるのだった…。
9日目伝説のキャスト「T美」
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