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元底辺の雀荘メンバーが語る7つの処世術

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元底辺の雀荘メンバーが語る7つの処世術
【EGweb】運営者江川

 現在のライター業に落ち着く前、俺は雀荘のメンバー(店員)をしていた。

 正直な話、そのときはとても楽しかった。

 仕事と言うよりは遊びだし、毎日が「麻雀に勝てば給料が増え、負ければ減る」というリアルタイムの闘いだったからだ。

 日常の中で味わう小さなスリルが、生きているという実感を湧かせてくれた。

 裏社会の人たちとの、様々な出会いと別れも経験した。

 しかし、いつしか「本当にこのままでいいのか」と思うようになった。

 だからこそ、中身のない生活から脱出する決意をし、ある人に連絡をとった。

 その人は俺の文章力を買ってくれ、「ライターの仕事をしないか」と言ってくれた。

 心から安堵するとともに、そのきっかけを与えてくれたことには感謝してもしきれない。

 新しい仕事を始めてから、雀荘メンバーたちを客観的に見て初めて気付く。

 彼ら(彼女ら)は、ただ無意味に生きていると。

 当事者から抜け出したことで、その事実を強く感じられた。

 俺は、雀荘メンバーを否定するつもりはない。

 人によって幸せの基準は違う、どんな生き方をする人がいてもいい。

 だが少なくとも、万人に共通する素晴らしい生き方はあるはずだ。

 その中で、「良い経験になった」と思えたこともあった。

 底辺生活に身を置いたからこそ、生きるために大切なことを学べたからだ。

 今回は、そんな「世の中を生き抜くためのコツ」を語っていこう。

1.借金はしない



 雀荘のメンバーは、とにかく借金をしている人が多い。

 アウト(店からの借金)が給料の枠を超えてしまったり、個人的な借金を返すために働いていたり、人によって事情は違う。

 もし、彼らが借金を返せなくなったらどうするのか?

 ある日突然、飛ぶ(行方をくらます)のである。

 残された人たちは、新たなメンバーの募集と、店の金の帳尻合わせをすることになる。

 このように、雀荘は汚れた金にまみれた業界なのだ。

 借金は、必ずと言っていいほど人生を狂わせる。

 貴重な人間関係を削って金にすること、それが借金の真実。

「絶対返せる」、「ちょっとだけなら…」という問題ではない。

 もちろん金額の大小にもよるが、貸すなら「返ってこなくてもいい」という気持ちを持つことだ。

 金を貸している時点で、その人は大きな損をしている。

 金を借りた人は、「急場をしのげる」、「これで大丈夫」とプラスの気持ちになれる。

 だが、それは一時的な錯覚であり、本当は失っていることに気づいていない。

 かくいう俺も、首が回らなくなったときに友人に金を借りたことがある。

 多くの時間をかけて今では完済したが、その関係は破綻した。

 金の貸し借りで、幸せになれる人間などいない。

 借金は絶対にしないこと、これは生き抜く上での鉄則だ。

2.錬金術を身につける



 雀荘メンバーは、接客しながら麻雀を打ち、勤務時間と麻雀の勝敗が給料になる。

 このように、人は金を稼ぐために多くの時間を消費する。

 サラリーマン・教師・大工・自営業など、あらゆる職業に就いている人たちは強い。

 彼らは、自分の能力を金に変える、独自の錬金術を持っているからだ。

 小学校で遊びの大切さ、中学で学びの必要性、高校で自己分析し、大学で就職するためのスキルを磨く。

 これが、人生のスタンダードな道。

「勉強が嫌い」「なんのために勉強するの?」

 上のように言う児童をよく見かける、実際に俺もそう思っていた。

 たしかに、最低限のコミュニケーションと計算さえできれば、人は生きていける。

 だが、勉強は決して無駄ではない。

 なぜなら、学び、悩み、挫折していく過程で、自分の「したいこと」を見つけるきっかけになるからだ。

 それこそが勉強の本質、ひいては義務教育が存在する理由である。

「誰にも負けない」という能力を発見してこそ、独自の錬金術を作り上げられるのだ。

3.楽に走らない



 ほとんどの雀荘メンバーは、怠惰を求めてその日暮らしの生活をしている。

 給料が増えると喜び、減ると悲しむ。

 だが、それはどちらでも同じことだ。

 金が残ったとしても、ほとんどはギャンブルと風俗で消え、また同じことを繰り返すだけ。

 なぜ彼らは、そんな生活をするのだろうか?

 答えはカンタン、「楽をしたい」からだ。

 たしかに雀荘メンバーという仕事…遊びは実際にしてみると楽しい。

 勤務終了時間まで最低限の接客をこなし、客と麻雀を打てばいいだけ。

 しかし、怠惰な生き方をしていると、歳をとってから初めて気付く。

「自分には何も残されていない」ということを。

 そうなってしまっては、もう取り返しのつかないことになる。

 俺は20代前半になってから気付いたから、まだ救われているのかもしれない。

 世の中には、それに気づいていない人が大勢いる。

 人間は誰でも、苦労はしたくないもの。

 誰だって楽して生活ができるのなら、それが一番いい。

 だが、人生の分岐点で人の意見に流されたり、楽を求めていると、自分を腐らせることになってしまう。

 楽を求めた先にあるのは、限りない「無」だ。

 自分でベストだと思う選択をし、努力をして挫折し、ときには自分を追い詰めてこそこそ、本当の『楽』が見えてくる。

4.人は言葉では救われない



 俺が働いていた雀荘で、こんなことがあった。

 ある店員が、アウトオーバー(店への借金が給料を上回ること)してしまった。

 そこで、彼はオーナーに相談した。

「今月生活が苦しいので、前借りさせてもらえませんか?」

「前借りはさせられない。苦しいのはわかるが、お前なら大丈夫だ」

 彼はオーナーの言葉に奮起したようで、やる気を出してバイトに戻っていった。

 だがこの問題は、本当の意味で「解決できた」と言えるのだろうか?

 答えは「NO」、根本的なことは何も変わっていない。

 本当に解決するのなら、オーナーが前借りを許可したり、彼の待遇を改善したり、店の労働環境を整えればいいのだ。

 このように、人は言葉だけで救われるということは絶対にない。

「借金が返せない」「人間関係が上手くいかない」

 前者はこの典型的なパターン、本当に救いたいのなら、言葉ではなく返済できるだけの金を与えるしかない。

 後者はそうではないように見えるが、実は違う。

 人間関係が上手くいかないことは、本人のコミュニケーションでそれなりの応急処置はできる。

 しかし、経済的な余裕さえあれば、贈り物や接待など、関係を良好にする選択肢が大幅に増える。

 言葉だけで全てが改善できるのなら、そもそも金はこの世に存在していない。

 人が本当の意味で救われるのは、金銭的な問題が解決できたときである。

5.何かを生み出せ



 雀荘メンバーの毎日は、同じことの繰り返しだ。

 バイトをして、得た金を遊びに使い、そして寝る。

 俺は雀荘のメンバーは、ニートや引きこもりと何ら変わらないと考えている。

 彼らは何も生み出さないし、何も生み出せない。

 もしあるとすれば、汚れた笑顔と紙切れのように薄い人間関係、そしてわずかな金。

 ただ日々を無為に過ごし、モノを消費しているだけ。

「ただ心臓や肺が動いてるだけ」

 カイジのこの言葉は的を射ている。

 何も生み出さない生活は、自分だけではなく、人類の歩みも止めてしまう。

 人間として生まれたからには、生産性のある毎日を送るべきだろう。

 それは物質的なものでも、精神的なものでも、何でもいい。

 日々何かを生み出してこそ、人は本当に生きていると言える。

6.利用する人間になる



 俺が働いていた雀荘は、レートがピン(1,000点 = 100円)だった。

 勝てば大きいが、1半荘(30分から50分で終わる1ゲーム)で負ければ、2~3万円は軽く吹っ飛ぶ。

 俺はなんとか凌いでいたが、そこで大きな借金を背負ってしまった人がいた。

 その金額、ひと月で60万。

 もちろん返すことはできず、オーナーから「働いて返すように」という宣告を受けた。

 その人は文句を言うこともなく、「自分の責任だから」と言って従う。

 その結果、毎日の給料からピンハネされていく。

 オーナーは無償の労働力を手にし、メンバーは借金を名目に搾り取られていく。

 これは紛れもなく、社会の縮図である。

 世の中には、利用する人間と、利用される人間の2種類しかいない。

 前者は他人をオイシク頂き、後者はそれを支えるために汗水流して働く。

 あなたが、どちらの生き方を望むのかはわからない。

 しかし、ほとんどの人は後者を選んだことだろう。

 もちろん、そのほうが安定した生活を送ることができる。

 利用されているとは言え、「守られている」という事実があるからだ。

 だが、果たしてそのままで良いのだろうか?

 一度そうなってしまうと、なかなか抜け出せるものではない。

 だからこそ、前者の道を選んだ人たちもいる。

 社長や自営業といった、自らが上に立つことを望んだ人種だ。

 生きているからには、「利用する人間になる」ということをしてみてもいい。

 そうなれれば、潤った生活を送ることができるからだ。

7.上司の言うことは聞かない



「これはこうしなきゃダメだろ!」「君は何を考えてるの?」「使えないやつだな」

 このように、人のことを見下し、揚げ足をとり、何かにつけてネチネチ説教をしてくる人間がいる。

 これは、職場の上司にかなり多いタイプだ。

 俺は就職したことはないが、バイトでも社員はウザかったし、どんな職業の人にも当てはまることだと考えている。

 雀荘で働いていたとき、チンピラのような上司がいた。

 ちょっとしたことで難癖をつけ、汚い言葉を浴びせる。

 それでも直らないのなら、暴力にモノを言わせる。

 下の人間は逆らえないことを知っているから、ますますエスカレートしていく。

 日頃のうっぷんを晴らしているようにしか見えないし、パワハラもいいところだ。

 そのくせ、ソイツはキャバ嬢のヒモとして生活し、雀荘で遊ぶ日々を送っていた。

 人間として、とても尊敬できるとは言えない。

 これは、「雀荘だから」ということもある。

 しかし他の職種でも、上司にまともな人間は少ないハズだ。

 不思議なことに、どこにでも1人はこういう人間がいる。

 そんなヤツの下で働きたくないのが本音だが、その仕事に依存した生活を送っている以上、簡単には抜け出すことができない。

「上司はダメなヤツ」と考え、その言葉を間に受けないほうが、ストレスを受けない毎日を過ごせる。

最後に


「生きる」ということは、人間が追い求める永遠のテーマだ。

 生きていても夢や目的がなければ、満足感や達成感も得られない。

 それを早く発見できる人もいれば、長い時間をかけても見つけられない人もいる。

 そんなときに、この記事があなたの人生のお役に立てば嬉しい限りだ。

 ちなみに、雀荘について面白い情報を発見した。

Check『警察「賭博だから逮捕!」、全自動卓まで違法性を指摘され激減する麻雀店』

 雀荘でフリーが打てなくなるのは、少し寂しい気がするよ…。
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