
ライターチャン小林
援デリの「打ち子」として初客を獲得したのは、就業から4時間後のことである。筆者の場合はアダルト関連のライターをしていたことがプラスに働いてくれた。普通の打ち子であれば、数日は客を取れない状態が続くそうだ。
周りを見ると、O氏の凄さを知ることになったのだ…。O氏の店は1日40万円程を売り上げていると聞き、初日が終わる頃にはその事実を痛感させられた。
“落とす”目安は2、3通以内
実際に出会い系サイトを使ってどうやって客を獲得するのか?そのテクニックは何通りもあるのだが、最初はログインして間もない男性ユーザーを狙う。1日にメールを何百通も送り、返信を待つのが基本である。
この方法で筆者も初客の確保に至った。出会い系サイトにはユーザーのログイン時間が表示される為、援デリ業者はそれを細かくチェックしているのだ。
O氏たちは、メールの送信業務を「営業」と言っていた。男性を“落とす”目安は2、3通以内。
大量にやり取りするため、メールの文章は作成したテンプレートを使用する。出会い系サイトでは同じテンプレートを使い続けるとアカウントが停止する事もあり、テンプレートは1日置きに少しずつ変えていく。つまり、ログインした瞬間にメールを送ってくる女性は援デリ業者の可能性が高いのだ。
O氏のメールの破壊力
O氏の店では1日約20人の客を獲得していたのだが、その半数はO氏が確保していた。
まず印象的だったのは、テンプレートの作成が抜群に上手かったことで、150通メールを送ると30人には「会いたい」と言わせてしまう。テンプレートは作り込めば作り込むほどワザとらしくなり、業者と思われてしまう事から、O氏はあえてシンプルな文章を使っていたのだ。
O氏「客はエッチしたくて仕方ないんだから、メールだけでエロをイメージさせればすぐ落ちるよ」
O氏のテクニックを簡単に説明すると、1通目はシンプルな文章で素人を装い、2、3通目で男性ユーザーが興奮するキーワードを入れ、条件も一緒に送ってしまうというもの。
良いことではないが、天性の才能があると思ってしまったのだ。
獲得した客との待ち合わせ時間になると、キャストの女性に連絡を入れ、待ち合わせ場所の近くで待機するよう指示。O氏(スタッフ)はサイト内で交換した連絡先を通じて、客を待ち合わせ場所へ誘導。客が待ち合わせ場所に着いたら、待機中のキャストに服装などを伝えて向かわせる。
これが、援デリ業者の基本的な流れである…。
援デリ業者のテリトリー
筆者が初日に獲得した初客は、昼間にメールを送り、夕方に会う約束を取り付けた。
メールアドレスを交換して客とやり取りするのだが、待ち合わせについては聞いていなかった筆者。O氏に待ち合わせ場所を聞くと、「池袋では使っていい場所が数ヶ所ある」と言う。
しかし、『待ち合わせ場所はどこでもいいのでは?』という疑問が湧いてきた。
筆者「待ち合わせは池袋駅近くならどこでも良いってわけではないんですね…?」
O氏「そうね。援デリは色々なグループがあって、縄張りみたいな感じで決めてるのよ」
『お互いにジャマしないで仲良くやりましょう』ということだそうだ。筆者が指定された待ち合わせ場所は、池袋駅西口を出て少し歩いた所にある「マ●イ」。
ほぼO氏にやり取りしてもらったこともあり、詳しい事は分からないままだったが、2人の客を獲得して初日を終えた。
22時になると、O氏はキャストから売上金を受け取るために外へ出て行く…。今日は19人の客を獲得したので、約40万円を売り上げたということだった。
そして、O氏がいなくなった後、気になっていた事を店長のFに聞いてみた。
筆者「他の業者って一体どれくらい存在しているんですか?」
F氏「うーん…正確には把握できていないけど、都内でも20ぐらいはあるんじゃないかな?」
さらに、ほとんどの主要な駅の近くに点在する事を聞いた筆者。援デリの規模を知るにつれて、徐々に底なし沼にハマり、身動きが出来ない感覚に襲われるのであった…。
5日目「キャスト」と呼ばれる女性たち
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