読者投稿年齢不詳の男性
新人を1人雇ってすぐに、ボスと新人君が大きなミスをしてくれました。
当裏DVDショップの場合、全ての無修正DVDをHDDにコピーし、それを注文に応じて焼いて配送していたのです。
つまり在庫が全く無い状態です。
余談ですが、後の留置所で隣の部屋にいた人に話を聞いたところ、その人の店では常に5枚ずつ焼いていて、無くなったら追加でまた5枚焼いていたそうです。
常に商品数の在庫があるということですね。
もうこの仕事辞めようかと思った……
どちらもデュプリケーターを使ってまとめて焼く点は共通しています。
同じタイトルを焼くか別のタイトルを焼くかの違いです。
ただ、当店の方がどうしても焼き上がりスピードが遅いのは確実です。
さて、HDDには裏DVD原盤からのデータ、盤面印刷の画像データの両方を入れて管理していました。
が、なんとボスと新人君が2人揃ってデータをオール削除してしまったのです。
言い訳は、PC初心者の鉄板である
「何か出たからボタンを押した」
このPC初心者のボス達はキーボードを触り、『○○はごみ箱に対して大きすぎます。このファイルを完全に削除しますか?』に対して『はい』を押したに違いない。
当時、既に2,000枚弱の裏DVDが入っていました。
自宅のPCからボス達のPC経由でHDDを覗いても、綺麗に何もありません。
データ復旧ツールを使うことも考えたのですが、とても遠隔操作で出来るとは思えませんでした。
僕も本業が忙しく、そんなに時間を割くゆとりがありません。
そこで一言、
「また1から入れて下さい」
と突き放しました。
タイトルごとにフォルダを作って、そこにDVDを吸い上げて入れていたのですが、「そのフォルダも作れない」とボス達は言い張ります。
仕方ないので商品データをダウンロードし、ツールを使って自動的に空のフォルダを2,000個作り上げました。
この時ほど、フリーソフトに感謝したことは無いかもしれません。
僕だけでなく、この裏DVDショップも通常業務が続いています。
それほど忙しくないとはいえ、1日に100枚以上は焼く必要があるのです。
ボス達はまず注文分をHDDに入れ、そして残りは数日かけて入れたようです。
ボス曰く、
「もうこの仕事辞めようかと思った……」
とのことでした。
※画像は不織布(ふしょくふ)ケース。
「盤面なし」の商品の場合、他社ではDVDの表か不織布に商品番号を書いているお店が多かったのですが、ボスはそれにもタイトルだけを黒字で印刷していました。
その印刷文字も2,000点作る必要があり、
「なんか、マウスを使うと手首が痛い」
と電話がかかってきました。
「ボス、それは腱鞘炎です」
なんて言えませんでした。
『はい』を押したあなた達が悪いんです。
このボス達のミスから、HDDの設定で「削除不可」にしたのは言うまでもありません。
それにしてもDVDの焼き方すら知らなかったボス達が、逮捕前にはスムーズなマウス運び、ムダの無い操作が出来るまでに成長していたのは、とてもビックリしました。
ちなみにオール削除は、これが一度きりでした。
しかし、まだまだ笑えるミスを提供してくれます。
何度電話で切れそうになったことか……。
次回は「値下げしたらバカ売れした話」を書こうと思っています。
チャプター9値下げでバカ売れ
コメントする(承認制です)