
東京の某大学に通う僕は、新宿から30分ほどの町にアパートを借りていた。
同じ大学の後輩に涼太という男がいた。彼は東京の生まれで大学も実家から通っている。
涼太には同じ学年に里奈という彼女がいたが、やはり親元から通っていたので、2人がセックスするのはラブホテルしかなかった。
亮太はバイトしていたが、それでも毎回ラブホ代を出すのは厳しい。
そんな亮太を見かねて、僕は彼に部屋を貸すことにした。いわゆる“ヤリ部屋”ってやつだ。
その頃僕は、土日を中心に週3回ほど夜勤のバイトをしていた。
もう4年生だから必須科目も終わって気楽なものだ。もう1日夜勤のバイトを増やそうと思っていたところだったからちょうどいい。
「俺が夜勤のときは勝手に使っていいぞ」
そう言って部屋の合鍵を渡すと、亮太は喜んでいた。
僕が夜通し働いている間に、こいつらはセックスしまくってたんだ
夜勤の日は午後8時頃に出かける。
最初、健太は7時頃に彼女を連れて来ていた。
2人はいつも8時まで僕とテレビを見たり談笑していたが、僕が出かけると、あわただしくセックスしていたに違いない。というのも、彼女の門限が10時だったからだ。
里奈の親は門限には厳しかったが、コンパなどがあるときは門限フリーというおかしなところがあった。
大学生ならそろそろ大人の仲間入りだから、飲み会の付き合いも大切ということらしい。
亮太はそれをいいことに、里奈と泊まる日もあった。里奈の親は友達と一緒ならオールしても許してくれるので、いつも同級生の女の子にアリバイ工作をしてもらっていたようだ。
涼太たちは泊まっても朝早く帰るので、夜勤から戻ってくる僕と顔を合わせることはなかった。
だが、まれに僕が帰ってくるとまだ寝ていることもあった。おそらく明け方までセックスしていたのだろう。
その日も、夜勤から帰ってくると2人はまだ布団にくるまっていた。
(僕が夜通し働いている間に、こいつらはセックスしまくってたんだ)
そう考えたらイラッとして、
「いつまで寝てるんだ」
と布団をめくると、里奈がキャッと悲鳴をあげた。2人とも全裸で寝ていたのだ。
「あっ、ごめん」
びっくりして布団を戻したけど、僕は一瞬だけ見た里奈の豊かな乳房と柔らかそうなヘアがいつまでも頭から離れなかった。
亮太と里奈は別々に来ることも多く、たいてい里奈のほうが先に来ていた。
そんなときはDSを貸してあげると、亮太が来るまでおとなしく遊んでいた。
里奈は涼太の彼女だから別に気にしなかったけど、裸を見てからそれが変わった。DSをしている里奈を見るだけで、大きな乳房とヘアを思い出して胸がドキドキした。
いつだったか、僕が夜勤ではない日に里奈がやって来たことがある。
「今日は夜勤じゃないよ」
と言うと、
「そうだっけ。あー、間違えちゃった」
とペロッと舌を出した。
里奈はすぐ帰ると思ったのだが、奥の寝室から勝手にDSを持ってきてゲームを始めた。
そういうことが何度かあったので、おかしいなと思い始めていた。1回だけならともかく、こんなに何度も来る日を間違えるはずがないからだ。
ごめんなさい、昨日コンパで帰れなくなって
そんなある日、今度は亮太が里奈とは違う女を連れてきた。
「どういうことだよ」
「いいじゃないっすか、ちょっとあれっすよ。それより、部屋貸してくれますよね」
涼太の言ってることがよく分からない。
女は僕に背中を向けてタバコを吸っている。まるで「さっさと仕事に行け」と言わんばかりだ。
僕は2人の態度が気に入らなくて、いつもより早く部屋を出て夜勤の仕事に向かった。
(あの女は誰なんだ。歳は里奈と同じくらいだけど、やたらとケバい。涼太のやつ、どうしてあんな女と)
(それに、里奈はこのことを知っているのか?)
その日、僕は色んなことが気になって夜勤の仕事に集中できなかった。
次の夜勤のときは涼太も里奈も来なかった。久しぶりに8時まで1人で過ごして仕事に出かけた。
翌朝夜勤から帰ってくると、玄関に女物の靴が脱いである。里奈の靴だ。じゃあ涼太も一緒なのか。
そう思って寝室に行ってみると、里奈が1人で寝ている。
僕に気づいて里奈が目を覚ました。
「ごめんなさい、昨日コンパで帰れなくなって」
彼女は勝手に泊まった理由をそう説明した。
「それはいいんだけど」
「あ、これも勝手に借りちゃった」
里奈は着ているTシャツを指さした。押入れから勝手に引っ張り出してきたようだ。
ノーブラなのか、里奈が動くと一歩遅れて大きな乳房も同じ方向に動いた。
「かまわないよ、ハハハ」
僕は乾いた声で笑っていた。
「前から聞きたかったんですけど」
里奈が口を開いた。
「ん、なに?」
「先輩、彼女いないですよね」
「いないよ」
僕にはこの半年間彼女がいなかった。半年前、付き合っていた女がこの部屋で知らない男と抱き合っているのを見てしまった。その日は夜勤の仕事が1時間早く終わった。
彼女と男は、僕が帰ってくる前にモーニングセックスをしてから部屋を出るつもりだったのだろう。
それ以来、もう当分女はいらないと思っていた。
「じゃあどうしてるんですか」
「何が?」
「あっちのほう。男の人ってしないといられないんでしょ」
「想像に任せるよ」
「あー、先輩セルフなんだ。かわいそー」
里奈は口に手を当てて笑った。枕を両手で抱いて首をかしげる仕草がかわいい。
「よけいなお世話だ」
「ごめんなさい。怒った?私、もう少しここにいてもいいですか。それとも帰ったほうがいい?」
「いや、かまわないけど」
「よかった!じゃあ朝ごはん作ります。卵くらいあるでしょ」
里奈は勝手に冷蔵庫を開けて材料チェックを始めた。
「冷凍庫にパスタがある。これと卵スープにしよう。あとはサラダ」
里奈はテキパキとメニューを決めて作り始めた。
鍋に水を入れて火にかけ、沸かしている間にレタスを洗った。
涼太の彼女が僕のために朝ごはんを作っているなんて妙な気分だ。
台所に立つ彼女を見ながら、亮太が別の女を連れて来たことを里奈に教えるべきか迷っていた。
いいですよ。もうあの人の彼女じゃないから
「さあできた」
電子レンジがチンと鳴ったと同時に卵スープもサラダもできていた。次々とテーブルに料理が並ぶ。
「里奈ちゃんはいいお嫁さんになれるよ」
「ほんとですか、うれしい」
里奈がうれしそうに笑う。
(この笑顔を壊すようなことを亮太はしている)
僕は複雑な思いで里奈が作ってくれた朝食を食べた。
「ちょっとだけDSやってもいいですか」
朝食の後片付けが終わると里奈が言った。
「うん、いいよ」
僕はその間にシャワーを浴びることにした。
シャワーから出て部屋着のTシャツに着替えると、里奈がDSの電源を切った。
「さーて、帰ろうかな。これで最後だから先輩にちゃんとご挨拶しなくちゃ。いろいろとお世話になりました」
里奈はそう言ってペコリと頭を下げた。
「最後って?」
「私知ってます。涼太さんに別の彼女ができたことも、ここに連れてきたことも」
「そうだったのか」
「もういいんです。終わったことだから」
その言葉が終わらないうちに、里奈の目から大粒の涙がこぼれた。
あわててそばにあったティッシュの箱を渡す。
「もう泣かないと決めたのに。それなのに、涙のほうが勝手に出てくる」
里奈は「うーっ」と声をあげて泣いた。気がついたら彼女を抱きしめていた。
里奈の涙が僕の腕を濡らした。僕の胸に密着した乳房を通して、里奈の悲しみが伝わってくるようだ。
僕たちは自然とキスしていた。少しずつ舌を絡めて激しいキスになっていく。
里奈の体がゆっくりと後ろに倒れた。その先をためらっている僕に里奈は言った。
「いいですよ。もうあの人の彼女じゃないから」
僕はキスしながら里奈の服を脱がせていった。
あの日一瞬だけ見た里奈の大きな乳房と柔らかい恥毛が、いま僕の目の前にあった。
ゆっくりと乳房を揉み、乳首を舌で転がす。里奈は「あっ」と声をあげて体を反らせた。
両足を開かせて恥毛の下に口をつけると、「あん、あん」と甘い声をあげる。
正常位で挿入すると、僕の動きに合わせて豊かな乳房が揺れた。僕はこの日、夜勤明けで眠いのも忘れて里奈の体をむさぼった。
「いっぱいしてもいいですよ、どうせ」
里奈はそこで言葉を止めたが、後に続く言葉は何となく分かった。「どうせ私なんか」おそらくそんな言葉だろう。
里奈は自暴自棄になっていたようだ。だから僕に体を許したのだろう。
このままでは、後で里奈が後悔することになる。僕はそれを心配していた。
「俺と付き合ってくれないか」
セックスの後で僕は里奈に言った。
「成り行きでこうなっただけだから、責任とか感じなくていいですよ」
彼女はそう言って笑った。
「いや、そうじゃない。本当に付き合いたいんだ」
「だって私、涼太さんの彼女だったんですよ?」
「そんなこと関係ない。だからいいね?」
「はい」
里奈の顔に、最初に会った頃の愛くるしい笑顔が戻っていた。
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