
私は基本的に、色っぽい出会いは求めてません。
友達募集がメインです。
容姿に自信が無いのもありますし、カマトトぶってる訳ではありません。
あわよくば、素敵な出会いがあればいいなと思います。
文字だけのやり取りで惹かれてしまう方もいます。
けれどもやっぱり、会った時の印象や会話などで合う・合わないを決めたいのです。
何年前の写メをくれたんだろう?
とあるサイトで仲良くなった、43歳独身の佐藤さん(仮名)。
佐藤さんは悪い人ではないけれど、性格の良さ、優しさを遠回しにアピールする男性でした。
私が服装に気を遣う人が好きだと言うと、「○○(私)は見た目で人を判断するんだね……」といじける人でした。
私の経験上、やたら中身をアピールする人はあまり信用できません。
そういう方に限って、色んな意味で自分を磨く努力をしていない気がします。
会ってみたら首がビロンと伸びたTシャツに、丈の合わないズボンを履き、洗濯物の半乾きの臭いを漂わせている……。
中身を見て欲しいなら、まずは清潔にしてください。話はそれからです。
本題に戻ります。
ちょっとメールの返信が遅れると、もの凄く心配してくれる……。ハッキリ言うと、面倒くさい人でした。
メールだけで生活してる訳じゃないし、「ちょっと返事が遅れたからってジタバタするなよ!」とは言いませんでしたが、「あぁ、この人とは合わないな。会ったらイラつくだろうな」と思っていました。
そう思っていたのに……ひょんな流れから、いきなり会うことになりました。
たまたま遊ぶ約束をしていた女友達が、私を捨てて彼氏に会いに行っちゃって、いじけてたせいもありますがw
そんなに優しさが売りならどれだけのもんか見てみたい……。
はい、好奇心が勝ってしまったのです。
初の顔合わせなので、佐藤さん自慢の車で軽くドライブすることになりました。
写メは交換済みとはいえ、「どんな感じの人なんだろう」とドキドキしながら待ち合わせ場所に向かいました。
現れたのは……『何年前の写メをくれたんだろう?』と思うくらい、写メとは別人の男性。
トレーナーには可愛らしいキャラクターの絵が踊り、スニーカーは真っ黒でボロボロ。失礼ながら足が臭そうです。
一瞬怯んだものの、会ってすぐに帰るなんて出来ません。
同じ事を自分がされたらショックだし、せっかく会ったのだから、せめて楽しく過ごそうと思ったのです。
私「初めまして!よろしくお願いします」
佐「どうもー!さ、乗ってよ♪×××あたりに行こうよ」
私「(遠!!あまり札幌を離れたくない)そこも素敵だけど、△△△に行きたいなぁ」
佐「そこもいいね。そうしようか!」
私「はい!(作戦成功)」
こうして、ドライブがスタートしました。
アラフォーのおっさんとおばさんで鬼ごっこ
…………佐藤さんは無口な人でした。
メールでイキイキしていた彼は何処に行ったのだろうか。
私が気に食わないのか?
でもそれなら、遠くに行こうとは思わないだろうな。
(今すぐ帰りたい)
そんな気持ちでした。
無言に耐えきれない私は、水商売で培ったスキルを総動員して喋り続けました。1時間ずっと。
息切れした頃、目的地に着きました。
息苦しい車内から脱出し、深呼吸していたら……なぜか手を繋がれました。
さり気なく振り払い、「わー☆景色いいね♪」と無駄にはしゃいで逃げ回る私。追ってくる佐藤さん。
(40前後のおっさんとおばさんで鬼ごっこか!)
この時点でかなりムカついてました。
けれど、浅はかに会うことを決めたのも車に乗ったのも自分。
佐藤(呼び捨て)ばかりを責めるまいと堪えていました。
……札幌市内に向かう車の中、喋って走り疲れた私は屍状態でした。
(もうどうでもいいわ)
戦意喪失。
佐「……」
私「…………」
20分ほど経過。
佐「………………急に静かになっちゃったね」
私「佐藤さんて無口なんですね」
佐「そんなことないよ?ほら、○○が緊張してるみたいだから、喋らしてあげたのさ。女は話好きだからね♪」
えぇええぇええ!?
優しさだったの?ねぇねぇ、優しさなのソレwww分かりませんでしたあなたの優しさすみませんw
私「へぇ……(超棒読み)」
このタイミングで佐藤は言いました。
佐「で、どうでした?初めて会った佐藤くんは?」
どうもこうもないわwケンカ売ってんのかw
私「あまり話してないから分からないかな。佐藤さんは、出会い系で会った人といつも何して遊んでんの?(口調が乱暴)」
佐「色々だよ?ドライブしたり、食事したり、女の子を気持ちよくさせてあげたり……なーんてね☆」
プッツン。
コイツとセックスするくらいなら死んだ方がマシだ
私「…………」
佐「これから、どうす」
私「帰ります。用事あるし」
佐「帰るの?ホテ」
私「帰ります」
佐「……気持ちよくしてあげ」
私「頼んでません」
敵の車内、人気の無い道。
怖くて足が震えそうだったけれど、この男に我慢ならなかった……。何より、簡単に車に乗った自分が許せなかった。
(いざとなったらチンコを蹴り飛ばして走って逃げよう。市内までは10キロも無いはず)
そう考えていた。
「……さっきまでの無口なお前は影武者か?」と聞きたくなるくらい、ヤツは語り出した。
「Hする気もないのに、なぜ出会い系なんかやってるの?」
「だいたい、なんで会ったんだよ。何が目的だったの?」
目が座ったまま、延々と説教された。
一瞬、脳裏に新聞の三面記事が浮かんだ。
≪出会い系サイトの闇!!≫
今だから笑えるけれど、本気で怖かった。
殺されはしないにしても、レイプされるかもしれないと思った。
そして、『コイツとセックスするくらいなら死んだ方がマシだ』とも思った。
全力で戦ってやろうと拳を握りしめた。
……幸いにも首を絞められたりレイプされる事は無く、ネチネチと説教されながら無事に駅まで送り届けてもらった。
車を停めて最後に一言。
佐「でも俺は○○が好きだよ?……やっぱりホテルは嫌かい?」
まさかのファイナルアンサーwww
最後のチャンス頂きましたーッ!
私「送ってくれてありがとうございましたさようなら」
静かに車を降りました。
動揺を悟られたくなかったので、あくまで冷静に。
駅の階段を降りた瞬間猛ダッシュ!!!!!!
トイレに駆け込み、大号泣。
(キモいよキツいよ生きて帰れたよ怖かったよーー)
情けなさすぎて涙が止まらなかった。
ひとりで居たくない。
このまま家には帰りたくない。
でも、恥ずかしすぎてリア友には言えない。
前に出会い系で会って仲良くしてる、飲み友達の鈴木くんにメールしてみた。
「SOS」
鈴木くんから電話が。
鈴「遭難でもしたのかw」
私「かくかくしかじか」
鈴「(大爆笑)無事で良かったな!迎えに行ってやりたいけど、俺これから23歳のかわいこちゃんとデートなんだわ!許せw」
私「私とその子とどっちが大事なの!?」
鈴「言わすなw」
私「ですよねーw」
……笑ったら少し落ち着いた。
すすきのに行って飲んではしゃいで、元気になりました。
ソレ以来は自分の勘を信じて、メールの時点で『アレ?』と思ったらフェードアウトしようと決めてます。
サイトの出会いは自己責任。
女子のみんな、佐藤には気を付けて。
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