今回は俺が『PCMAX』を利用して出会った、とある独身女性のレポートである。
彼女とは一定の期間メールのやりとりをし、無事に会う約束を取り付けることができた。
本レポートは、サイトやメールや直メの内容は割愛し、インタビューの内容を淡々と執筆していくものである。
WANTED
- 写真
- NG
- 名前
- やすこ(仮名)
- 年齢
- 32歳
- 地域
- 神奈川県
- 身長
- 155cm
- 体重
- 59kg
- 活動エリア
- 神奈川県近辺
「やすこ」さんとの出会い
おはようございます。仲良くしてください。お願いします。
プロフを埋めたらすごいたくさんメールが届いたので削除しました。
自己紹介します。
自宅は●○です。仕事は父の秘書のような仕事をしています。
趣味って言えるかどうかわかりませんが、ヨガ教室に通ってます。
気にとめていただけたらお返事くださいね。
お返事いただけたら、スリーサイズや生活のタイムスケジュールなどお伝えしたいです
やすこさんのファーストメールはこれだった。
彼女と連絡を取り合うようになったきっかけは、『PCMAX』で彼女のほうからメールを送ってくれたからだ。
それに対して、俺がメールを返信したわけである。
取材の一環というのもあり、彼女と会うことにした。
某日、俺は池袋駅西口へ向かっていた。
メールで指定した14時に待ち合わせ場所に行くと、そこに彼女は立っていた。
「初めまして」
やすこさんは白を基調とした服装で、見るからに清純そうな雰囲気を持っていた。
「とりあえず、ご飯でも食べませんか?」
「いいですね、行きましょう」
というわけで、俺たちは西口近くのサイゼリヤへと歩き出した。
サイゼリヤにて
「実は僕、出会い自体が目的じゃないんですよ。
出会い系サイトの現状を探るために、実際に利用しているわけです」
「あら、そうなんですか?」
「ええ、取材みたいなものですかね。
お時間取らせて申し訳ないですが、その分の取材費はお渡しします。
ですから、今まで出会い系サイトを使ってきた中で、面白い話を聞かせて頂きたいと思いまして」
「それは何かに使うんでしょうか?」
「僕自身がブログを運営してまして、そこの記事にさせて頂けたらなと」
「そうなんですか、プライバシーとかは大丈夫ですか?」
「もちろんです。
やすこさんの個人情報や記事内容は、承諾を頂いた範囲内にしますし、口外も一切しません」
「うーん…写真とかはダメですけど、それならまあ大丈夫ですよ」
「ありがとうございます!
じゃあ早速なんですが、そもそもやすこさんはどういう経緯で出会い系サイトを使い始めたんですか?」
「それなんですけど…」
ここで彼女から、思いも寄らぬ答えが返ってきた。▼
かなり予想外の答えに、動揺を隠しきれない俺。
冷静さを取り戻しつつ、詳細を聞いてみることにしよう。
このとき店内に人はそれほどいなかったが、内容が内容なだけに少し声をひそめる。
「それは、いつですか?」
「1年ほど前ですね、●●ってサイトを使ったのが最初です。
最初はメールが凄い勢いで来てましたね、ちょっと怖かったかな」
「出会い系サイトは、怖いって思いますか?」
「正直そのときは怖かったですね(笑)
プロフだけ書いてやめようかなとも思いました」
「まあでも、出会い系サイトって30代の方が多いですよね?」
「私みたいなのが使ってるからですかね…」
「いやいや、そんなつもりで言ったんじゃないんですよ!ただの感想ってだけで」
話題を変えて仕切り直す。
「どうして、そうしようと思ったんですか?」
「30代であまり見た目もよくありませんし、出会い系使うしか処女捨てる方法はないのかなって。
それまでは、私恋とかしたことありませんでしたから」
「なるほど…」
「でも、そのときふと思ったんですよ。
もし私が男性の方だとして、『童貞捨てたいんです』みたいなこと言ったら、どうなるのかなって(笑)」
「それはどうなんでしょうね。
僕は書いたことないんでわからないですけど、来そうと言えば来そうですよね(笑)」
「たとえば、どんなメールが来たんですか?」
「まあほとんどの人は処女目的ですよね。『30代の方は嫌いじゃないです!』ってメールをよく頂いたんです。
でも私からすると、『結局体だけが目的なんでしょ?』みたいに思っちゃいました。
実際に、30代の女性は男性からしたら重いってよく聞いてたんで」
「お見合いなどはしようと思わなかったんですか?」
「親がちょっと特殊な組織に所属してまして、その人脈はあるんですけど、結局はそれ関係の人たちしかこなくて(笑)」
特殊な組織とはなんだろうか?
少し違和感を覚えたが、そこを詮索するのが目的ではない。
本題に話を切り替える。
「出会い系サイトを使っていて、気になったことなどはありましたか?」
「当然と言えば当然なんですけど、2〜3日以内に会う約束を取り付けないと、相手からのメールが一切こなくなりますね(笑)」
「●●にはサクラがいましたか?」
「●●は結構いたと思いますよ。でも、『PCMAX』にはサクラはいないと思います。
私の場合はメールがたくさんくるから、まずそういうことは考えてなかったですね」
確かに女性側からすれば、サクラなど無縁の存在である。
「最終的なお相手はどういう方だったんですか?」
「私エヴァが大好きなんですけど、偶然エヴァ好きな男性がいまして、よくメールしてました(笑)」
「その男性とはどうなったんですか?」
「お互いにエヴァの話で盛り上がってメールが結構続いて、それで会う流れになりまして」
「ということは、会ったその日に?」
「いえ、会って3回目くらいかな?2回目くらいに処女のことを打ち明けて。
そうしたら、『大丈夫だよ』みたいな」
「で、無事に目的を果たしたと」
「まあそうなんですけど、よく考えたら後悔しますよね…(笑)
出会い系サイトで出会った人に処女をあげちゃうって」
「まあそれは人それぞれですし、別にいいんじゃないですかね?
それに、もう終わったことですしね」
既にやすこさんとはかなり打ち解けていて、彼女が自分から話をしてくるようになっていた。
「それはそうと、私NTRで興奮しちゃうんですよ(笑)
しかもちょっとMで、体に傷が残ったり、欠損することがないプレイなら割と受け入れます」
いきなり何を言い出したんだこの人は…。
「すいません、NTRってなんですか?」
「あ、NTRっていうのは、『寝取られ』っていう意味で、2ちゃん用語なのかな?まあ略奪愛みたいなもんです(笑)」
「ほうほう、実際にそういうのはやったことがあるんですか?」
「さすがにないですよ(笑)
兄がそういう性的嗜好で、そういう系のHビデオとか本とかたくさん持ってたんで、盗み見ているうちにそういう性癖になってしまって。
さらにちょっと変態チックなことができれば文句無いですけどね(笑)」
話が変な方向になってきたので、もうそろそろ締めようかと思い始めたとき。
「あ、江川さんエヴァ好きですか?
私は初号機が覚醒して、ゼルエルが食べられちゃうシーンが大好きなんですよ!」
『エスカルゴのオーブン焼き』を食べているときに言わないでほしいのだが…(笑)
「あー、僕もそのシーン好きですよ!カッコイイですよね!」
エヴァの話にノったのが、全ての間違いだった。
気分を良くしたやすこさんに、この後延々とエヴァの話を聞かされることになったのである。
「あ、もうこんな時間。そろそろ行きましょうか?」
無理に止めることもできず、結局やすこさんがそう言い出してくれたのは、エヴァの話が始まってから2時間後、サイゼに入ってから4時間が経過したときだった…。
「そうですね、行きますか…」
ぶっちゃけかなり疲れ果てていた俺は、解放された喜びを噛み締めながらレジに向かう。
「あ、ここは私が払いますよ!」
「いいんですか!?ありがとうございます!」
(マジか、ラッキー!)
これはもしや…ちょっとした期待を持ちながら聞いてみる。
「ちなみに、取材費のほうはどのくらいお渡しすれば良いでしょうか?」
「そういうのとかいいですよ!話聞いてもらって楽しかったし!」
実質交通費のみで、レポートネタを提供してもらったことになる。
長い話に付き合った労力が報われた瞬間であった。
「また会えたりしますか?」
「僕の目的は取材することだけなんで」
「そうですか…」
「あ、でも何かあったらいつでもメールくださいね!
悩みとか相談があれば、僕で良ければいつでも聞きますから!」
「わかりました、今日はありがとうございました」
そう言うと、やすこさんはペコリと頭を下げた。
本来であれば俺が頭を下げなければいけないのだが…調子が狂ってしまう。
「こちらこそ、ありがとうございました」
俺もたまらず頭を下げる。
「じゃあ、またどこかで」
そう言うと、やすこさんは振り返ることなく去っていった。
どんどん小さくなっていく背中には、到底そんな出来事があったとは想像もできない。
(色んな人がいるんだな…)
俺は改めて、出会い系サイトの奥深さを実感したのであった。
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