
僕は何故か家出少女と出会う事が多い。
でも確実に両親の元へ帰らせる。
時には少女の両親の前で土下座してみたり、親子喧嘩の仲裁役をしたり…。
一番大変だったのは、京都で出会った14歳の家出少女だった。
その子は広島から家出してきて、京都でホームレスのような生活を送っていた。
とりあえずほっとけないと思い、ご飯を食べさせて、広島に帰るよう説得したが、頑なに帰らないと言う。
その理由は、両親が妹ばかりを可愛がり、全く相手にされなかったと…まぁここまではありきたりな話だ。
僕はそれだけではないような気がして、「笑わないから素直に話してみて」と聞いてみた。
すると、学校でのイジメ、友達の裏切りなど色々出てきた。
警察に行けば済む事なんだが、それだと何の解決にもならない。
その場合、少女はもっと酷い目に遭うだろうと思ったからだ。
僕はその子を連れて広島へ向かうことにした。
少女の両親に全てを話すつもりでいたが、家に行ったら門前払いを食らった。
仕方ないので、「話を聞いてくれるまで動かない」と言って、玄関前でひたすら正座していた。
1時間ほどして玄関が開き、話を聞いてもらえると思ったら、バケツに並々と入った水をかけられた。
こうなったら意地の張り合いだ。
正座し続けること8時間、やっと両親が「話だけは聞く」と折れた。
両親の言い分はこうだ。
「成績も普通以下だし、これといって秀でたものがないから『好きにしなさい』と言ったら家出した」
僕は思わず、
「あんたそれでも親か!?」
と怒鳴ってしまった。
さらに、少女が受けた学校でのイジメや友達関係の事も勢いで言ってみた。
「子供の苦しみが解らん親は親じゃない」
親が偉いとか優秀とか、そんなのはどうでもいい。
「子供が苦しい時、側にいてやれるのは他の誰でもない親なんだ」
こう説得する事6時間。
母親はやっと理解してくれた。
そして少女は無事家に帰ることができた。
少女にも、
「友達に裏切られるのは、その人が小さい人間なだけだから気にしない方がいい」
「イジメはとにかく足掻け!それから手を伸ばせ!必ず誰かが掴んでくれるから、逃げるな」
という話をした。
それから1週間ほど経った頃、「例の親子がお前を探しに京都へ来ている」と知人から聞いた。
でも僕は知人に頼み、会わない旨を伝えてもらった。
親子は残念そうに帰って行ったそうだ。
僕はろくでもない人間だから、会っても何もいいことはない。
やだ・・・この人カッコイイ

こういう男が増えれば、世の中の性犯罪は減るんだがな・・・

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