
執筆者30代後半の男性
先日とある打ち上げで、ある女の子と同席した。
その子は売れないグラビアアイドルでKという。
彼女は25歳、現在はグラビアグループに所属し、細々と活動している。
俺にとって、Kは非常に気になる女の子であった。
以前、何かのイベントでファンとの握手会があったらしく、Kは5人目くらいから急に「気分が悪い」と言ってトイレに駆け込んだ。
なかなか出てこないK、女性スタッフが心配になって中を覗きに行くと、彼女はトイレで泣きながら手をずっと洗っていたのだ。
「Kは潔癖症なんですよ」
後日スタッフからその話を聞いて以来、潔癖症の彼女のことがずっと気になっていたのである。
その気になるKが、打ち上げで俺の前に座っている。
「Kちゃんって潔癖症なんやって?」
「そうなんですよ…」
俺はもう我慢できず、単刀直入に気になることを聞いてみた。
「セックスする時、どうすんのん?」
世の中に潔癖症の人はかなりいると思うのだが、俺の周りにはなかなか居らず、ずっと気になっていたのである。
Kには20代の彼氏がいる。
一番セックスをしたい頃合いである。
握手会で泣いてしまうほどの潔癖症が、セックスでは大丈夫なのだろうか。
俺はずっとKが気になっていた。
エッチはさせますけど、キスは絶対にしません
「エッチはしてますよ」
さすがに、潔癖症でもセックスはするのだ。
「まぁ男性が我慢できないのは理解してるんで…ただできることならしたくないのが本音です」
彼氏のために仕方なくセックスをするそうなのだ。
驚くべきは、そのセックスの内容である。
「いきなり入れてもらいますね。前戯はいらないです。身体には触ってほしくないんで…部屋を真っ暗にして、そこで私が股を開いて…」
(ダ、ダッチワイフか…)
真っ暗な部屋で身体に触れさせないよう彼氏に腕組みをさせて、彼氏がイクまで淡々と腰を振らせるのだ。
腕を組みながら腰を振るなんて、まるで80年代のダンサーじゃないか。
さらに面白かったのは、
「エッチはさせますけど、キスは絶対にしません」
と、まるで風俗嬢の言い分である。
「だって口の中って肛門より汚いらしいですよ。エッチは仕方なしだけど、キスはしなくて大丈夫じゃないですか」
同様に手も握らない。
Kは最初からキスを避けているらしい。
昔は段階論でABCと表現していた。
≪ A(キス)・B(ペッティング)・C(挿入)≫
彼女のABCはこうだ。
≪A(挿入)・B(手を繋ぐ)・C(キス)≫
彼女にとっての「C」はハードルがかなり高い。
「本当に好きな人ができたら変わるんちゃう?」
「うーん、今以上に好きになれる人は考えられないですね」
恐るべき潔癖症である。
逆に同じグループのMという女の子は匂いフェチで、彼氏の臭い匂いが大好きなのだとか。
彼氏に限界まで風呂に入らないよう指示し、ちょうどいいくらいに臭くなった頃を見計らって、彼氏にむしゃぶりつくのがたまらないらしい。
逆に言えば、臭くないとセックスはさせないということだ。
真っ暗な部屋で腕を組みながら腰を振らされる彼氏。
いい頃合いで熟成されるまで風呂に入れない彼氏。
いくら巨乳のグラビアアイドルでも、『やっぱりふつーの女性とのセックスが一番いいなぁ』と思った夜であった。
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