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【私は人妻デリヘル嬢】最終話.MAILER-DAEMON

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【私は人妻デリヘル嬢】最終話.MAILER-DAEMON

シリーズ物【私は人妻デリヘル嬢】

読者投稿40代後半の女性

 気がつけば、精神的負担が大きくなってきたように思えた。
 ランク付けの件は、特に大きな影響を与えた。常にそのことが頭の隅にあった。
 悩むのが嫌で、思い切ってどの位置にいるのか聞いてみた。

「千秋さんは…Cですね」

 AからDまでの4段階評価でC、やっぱり低い。
 肩を落とす私に、「AやBは滅多にいませんから」とスタッフが言ったが、私にとっては気休めに過ぎなかった。
『最低でなかっただけ良かった』と思うしかないのか。気持ちの持っていきようがなかった。

 薬を、時には頓服の下痢止めを飲みながら乗り切ってきた過敏性腸症候群の症状は日々悪化していた。
 その日も待機所のトイレから出られなかった。やっと出られたと思っても逆戻り。痛みと同時に涙が出た。
 何故こんなに苦しまなくてはならないのか。情けなくなった。

(待機所にトイレがふたつあってよかった)

 心底そう思った。
 トイレから出たと思えばまた戻るの繰り返し。それが余計にプレッシャーになった。何故こんなに痛いんだろう。何故こんなにお腹が弱いんだろう。

 そんな時にタイミング悪く、スタッフの声がした。

「千秋さんお仕事ですよ」

 私は焦った。この状態では安心して出られない。

「今はお腹の具合が悪くて…他の方にお願いできませんか?」

 そう言うと、指名だと付け加えられた。何故このタイミングで指名なのか。自分の体調の悪さが悔しい。

 しばらく返答を待ってもらったが、薬を飲んでも治らない。
 ホテル派遣ではなく自宅派遣というのも不安材料だった。大抵、自宅派遣は市内中心部から外れている。着くまで安心して車に乗っていられる保証はなかった。

 泣く泣く指名をお断りした。その日は受付予定を切り上げ、早上がりすることにした。
 こんな理由でせっかくの指名を諦めないといけないことが、残念でならなかった。

 翌日は仕事を休んだ。
 生理と学校の用事以外で休んだのは、これが初めてだった。スタッフに休みますとメールを送るのは、たいへん勇気が要った。
 生理でも海綿を使って出勤している女の子もいるのに、これだけの理由で休むなんて。考えただけで胃が痛くなりそうだった。

 指名を断らなければならないほどの酷い下痢のことを考えると、ちゃんと治まってからでないとお店に申し訳ない。そう判断した。
 苦渋の決断だった。

 写メ日記やtwitterにもお休みの告知をした。
 せっかくここまで頑張ってきたのに、休まなくてはならないことで、人生の落伍者のような気がしてしまう。
 それでもいつか戻れると信じて、薬を飲み続けた。

 仕事から離れても、腹痛と下痢はよくならなかった。私はどんどん焦りを感じていった。

(こうしている間にも、みんな指名されてお客さん取って稼いで…)

 気持ちが落ち込んでいく。毎日書いていた写メ日記も止めた。出勤できなければ意味がない。

 節目には写メ日記を更新したことを思い出した。
 お正月、成人の日。
 成人の日には、新成人に向けてデリヘルの正しい利用の仕方もアップした。本番を強要するお客さんが増えないように、デリヘルを楽しめるために。
 こんなことを書いたのに、今ではお客さんと接することができない。
 その悔しさに歯軋りする日々が続いた。
 時はゆるりと過ぎていった。

 休んでいる間に、気持ちが鬱々としているのを感じていた。
 ランク付けのことが頭をよぎる。戻っても私は受け入れてもらえないのではないか。
 回復しない体調と共に、そんな心配をしていた。

 そんなある日、緒方オーナーに用事があってメールを打った。どうしてもオーナーでなければならない用事だった。
 送信と同時にメール受信の着うたが鳴った。『MAILER-DAEMON』の文字が目に入った。

(まさか)

 私は凍りついた。改めて時間を置いて送信し直したが、やはりMAILER-DAEMONの文字。

 知らない間にアドレスを変えられて、教えられていない。

(見捨てられたな)

 そう思った。

 スタッフに緒方オーナーのアドレスが変わっているようだからと断って、オーナーに伝えて欲しいと用件をメールした。アドレスに関して言及はなかった。

(働けない人間に用はないんだな)

 私はそう悟った。

 休んでも治らない体。知らされなかった緒方オーナーのメールアドレスの変更。ランク付けの脅威。
 私は決心した。デリヘル嬢を辞めることを。

 緒方オーナーにメールを送っても届かず、新しいアドレスも知らされないので、スタッフに「体調が戻らないので、申し訳ありませんが辞めさせてください」と申し入れた。

 何か言われるのではないかと恐れていた。だが慣れているのか、すんなりと「了解しました」だけで事は終わった。
 問題なのは、あの最後の仕事の日に、計算ミスでお給料を2,000円多く貰っていたことで、事務所に返金に行かなければならないことだった。
 痛むお腹を抱えながら、どうにかお店まで辿り着いた。

 どのくらいぶりだろう。当たり前にいた場所。今では別世界のように見える。

 久しぶりに見るスタッフ。
「お疲れ様です」と事務所に入り、封筒に入ったお金を渡した。

「お世話になりました」

 深々と頭を下げ、事務所を後にした。オーナーはいなかった。

 事務所から外に出る通路へ向かった先に見えたのは、以前はなかった入り口に貼られた全身を写す大きな鏡。
 ランク付けの新しい「象徴」だった。ぎゅっとお腹が痛んだ。

(もうここに来ることはない)

 そう思い直した。

 私は人妻デリヘル嬢を卒業した。

 もう、戻らない。

番外編最後に伝えたい3つのこと

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