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【私は人妻デリヘル嬢】第8話.サイコパスと性病の不安

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【私は人妻デリヘル嬢】第8話.サイコパスと性病の不安
シリーズ物【私は人妻デリヘル嬢】

読者投稿40代後半の女性

 今日も勤務時間を知らせる写メ日記を更新した後、お客さんからのメールのお返事を書く。
 ギニュー戦隊には白の下着のリクエストへの返信を、そしてもうひとり…。

 最近「サイコパス」という名前のお客さんから、困ったメールが入るようになっていた。

 ある時は体型を聞かれ、それを証明するために写メ日記へ全身写真の添付を要求されていた。
太っている私は素直には従わなかった。

 幸い待機所にソファーがあるのをいいことに、そこに横になって全身を写した。こうすれば少しは細く見える。その写メを立っているように編集して載せた。

 またある時はSMはできるのか、どんなことが好きなのかを聞いてきた。
 会ったらプレイしてみたいからという理由ではなく、いかにも興味本位な聞き出し方だった。
 普通ならお仕事だからさらっと答えるべきだけど、今回だけはすんなり答える気にはなれなかった。

 サイコパスの要求は日に日にエスカレートしていった。

「顔を見せてくれ」

 できるわけがない。何のためにパネルをぼかしてるのか。
 身バレしないようお店が配慮してくれているので、それはできないと固く断った。お店の信用問題に関わる。

 お店の写メ日記を運営するデリメイトには、嬢のための交流掲示板があった。楽しくて参考になるので、私は毎日見ていた。
 そこにサイコパスの愚痴を書いてみた。

 反応はすぐに返ってきた。他にもサイコパスに困り果てていた嬢が次々に現れた。内容は同じで、名前を変えてメールをしてくるという情報も得られた。

 お客さんとの交流のために続けてきた写メ日記だったが、これからは自衛をしなくては心が保たないことを思い知らされた。お客さんを警戒しなくてはいけなくなるのが辛かった。

 つつがなく仕事をこなしていたある日。
 気がつけば喉が痛むようになっていた。

 真っ先に頭をよぎったのは「性病」。
 昔クラミジアと淋病を同時にもらって七転八倒した身としては、『これはヤバい』と急遽翌日お休みを頂いて総合病院に行った。

 もし病気だったら当分仕事はできない。でも風邪の喉の痛みとは違うような気がして、どうしても不安は拭えなかった。

「お入りください」

 呼ばれて診察室に入る。問診票にもしっかり『性病の不安がある』と書いておいた。
 先生は「ちょっと喉を見ましょうか」と言い、ファイバースコープを鼻から入れた。

 苦しいけどひたすら我慢。
 するするっとファイバースコープが抜かれる。

「性病ではないですね」

(検査してないのにわかるものなの?)

 びっくりする私に、「性病ならもっと酷いですよ」と教えてくれた。

「じゃあこれは何ですか?」

「逆流性食道炎ですね」

 先生は続ける。

「食事が済んですぐ横になったりするとなりやすいですよ」

 確かに…全くその通りだった。
 お昼を食べると強い眠気に襲われ、すぐに寝てしまっていた。食道が赤く荒れていたのだという。

 胃酸を抑える薬を頂いてしばらくすると、痛みは治まった。性病じゃなくて本当によかった。
 イソジンうがいを丁寧にするのはもちろん、食べてすぐ横にならないように気をつけようと心に決めた。

第9話連続勤務の3日間

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