パソコンを初めて手に入れ、操作にも慣れた頃、チャットレディ(ノンアダルト)にハマっていた時期があった。
そして、ライブチャットで意気投合した男性と、興味本意でご飯に行くことになった(凄い端折りっぷり)。
もちろん、ライブチャットで会うことは初めて。
写メ交換もしなかったので、
『気持ち悪い人だったら走って逃げよう……』
と心に決め、待ち合わせ場所近くの柱の影から男性が来るのをソッと待っていた。
すると、スーツを着た長身の爽やかなサラリーマン風の男性が来るのが見えた。
今まで知り合ったことがないタイプでドキドキした。
『ライブチャットも馬鹿に出来ないなー』と思いながら彼に話しかけた。
その男性は、私より3つ年上のシステムエンジニアだと言っていた。
彼が食事をする場所に選んだのは、何故かソバ屋だった。
ソバ屋に入ると、私は「天ぷらソバ」を頼み、彼は「ざるソバ」を頼んだ。
しかし、全く会話が続かない。
私「おソバ好きなんですか?」
男性「あっはい。まぁ普通です」
私「……そうなんですか……」
男性「……はい……」
ライブチャットではあんなに盛り上がったのに……。
話題も全く浮かばない。
そもそも、初めて会う女性との夕食に、ソバ屋を選んだ彼のセンスが分からない。
ソバを食べ終わると、彼が言った。
「……○○(私)ちゃん。お願いがあるんだけどさ」
そう言いながら、イソイソとカバンからパンフレットのような物を出し、私の前に置く彼。
「これが似合うと思うんだ」
彼が指さしたのは、昔、森高千里が「17才」を歌った時に着ていた衣装を、エナメル素材に変えて作ったようなボンテージ。
私「……ナニ……これ?」
男性「絶対似合うよ!○○ちゃん!!実は違うヤツは持ってるんだけど○○ちゃんには大きいと思うんだ!!やっぱりボンテージはその娘に合った物じゃないとね!あっ!これはね風俗とかにある安物じゃないから着たらカッコイイよ~!!」
実は私、ライブチャットでは客からのリクエストで、ボンテージ姿を何度も披露していた。
男性「ブーツも買ってあげるよ!足何センチ?……あれ?○○ちゃん……どうしたの?眉間にシワが…あれ?…………」
ソバ屋から走って帰った。
そして彼に、
走って帰ってしまったことはゴメンナサイ。
でもボンテージは仕事(ライブチャット)で死ぬ程着ているのでプライベートまで着たくありません。
つうか何故食事をしようと会っただけの貴方の前でボンテージ着ることになっているのですか?
追伸:ソバのこと普通に好きぐらいで初めて会った女性との夕食に選ぶのは、どうかと思いますよ。
とメールを打った。
すると彼から、
「ソバ屋を選んだことは謝るよ!それで今度はいつ会えるの?今から会えない?」
とメールが来たので、
「ゴメンナサイ。全て無理です。もうお会い出来ません」
と返信したら、
「今すぐ会わないとメールアドレスやチャットの履歴でお前の家の住所や携帯番号調べてやるぞ!」
と脅してきた。
「どうやって調べるんですか?」
とメールしたら、
「俺はシステムエンジニアだよ?んなことスグに出来るんだよ!」
と返事が来たので、
わかりました。これから貴方からのメールを拒否します。
でも貴方はシステムエンジニアだから、きっとスグに私の携帯や住所が分かってしまうと思うの。
家で正座して待ってるから訪ねて来て下さいね。
あっ!鼻毛出てましたよ!じゃあ!バイビー!
あれから軽く1年くらい経ってるんだけど、まだかな~?
あの鼻毛野郎。
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