一人キャバが余裕で行けるようになってきた今年の夏。
(この嬢は俺に惚れてるなあ)
(早く一発やりたいなあ)
(でも毎回断られるのは不思議だなあ)
(でも毎回家に弟が遊びに来てるんだから仕方ないなあ)
お気に入りのキャバ嬢を指名しつつ、純粋にキャバクラを楽しんでいた。
週末は忙しいので、平日の店内が空く時間帯を選んで通っていた。
そんなある夜。
「もー!しつこい!」
隣の席でキャバ嬢の悲鳴が聞こえた。
その声に釣られて、俺も含めた他の客たちがその席に目をやった。
50代くらいの素敵なおじさんが完全に酩酊状態で、しつこく嬢のおっぱいを触ろうとしていた。
髪はロマンスグレー、高級そうなスーツ。
見た目は会社役員のような上品な身なりだった。
その素敵なおじさんが酒に飲まれ、欲望のおもむくままに嬢の乳を触っていたのだ。
キャバ嬢は必死に避けつつ笑顔を作り、話題を変えたり、お酒を作ったりしていたが、効果は無かった。
そして、嬢が素敵なおじさんの両手を掴み、自分の膝に置いて
「ここで我慢しなさい!」
と言った。
素敵なおじさんは、
「ここじゃ我慢できーん!」
とスカートの中に手を突っ込もうとした。
気が付くと俺は口に出していた。
「おい!ふざけんな!」
俺は普段、あまり感情的になることは無い。
しかし、どうしても止められなかった。
そして俺は睨みつけた。
店内はシーンと静まり返っていた。
俺の睨んでいた方向が、素敵なおじさんではなく、ボーイだったことに違和感があったのだろう。
俺は続けて怒鳴った。
「こないだ俺が、この子のおっぱい触ろうとしたら飛んで来たじゃねーか!」
俺も酔っていた。
店内は失笑。
俺に付いていた嬢に、頭をスパーンと叩かれた。
その後、
「あの素敵なおじさんは、普段からすごいお金を落としてくれるお客さんだから大目に見られてるんだよ」
ボーイに連れ出された店外で、嬢から教えてもらった。
資本主義社会に負けた一夜。
でも外で嬢におっぱい触らせてもらった。
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