
皆さまごきげんよう、はじめまして。
【EGweb】では初めての記事を書かせていただきます、ライター「黒瀬あずき」です。
Twitter@azukipyondayo
突然ですが、私は『池袋GU探検隊(以下、GU)』という、奇妙なお店で働いていました。
もう2年も昔のことです。
管理人の補足『池袋GU探検隊』とは?

2013年頃にオープンし、多数のアンダー(18歳未満者)が在籍していた今は亡きJKお散歩店。
“池袋の探検”のコンセプトのもと「隊員(現役JK)」を派遣するシステムだが、実態は対面した後、カラオケ・ネカフェ・ホテルなどに入り、性的サービスや本番をする「裏オプ(嬢ごとの独自オプション)」が横行。
その情報がネットを中心に出回り、女子高生マニアに人気を博していた。
昨年7月19日、店長の「宇佐美竜」容疑者(当時37歳)が、同年3月に従業員の女子高生にわいせつな行為をしたとして、児童福祉法違反の疑いで逮捕された。
この事案をきっかけに、GUは実質的に消滅した。
ちなみに俺は2014年3月に潜入し、記事を執筆済みだ。
無論、違法行為は一切していない。
有料記事3109池袋のJKお散歩店、「I」を体験してきた
細々と未来を探るより、堂々と違法行為をして生き残ろう
「お散歩店」ってご存知でしょうか?
【EGweb】読者の皆さまならだいたいご存知だとは思うのですが、お金を払って女の子を派遣してもらい、あんなことやこんなことをしたり、法に抵触したりするお店ですね。
その昔、私がJKビジネスに関わるようになるもっともっと前(たとえば2012年くらい)は、現役JKが平然と秋葉原の路上でビラ配りなんかをしていたものです。
お散歩いかがですかー!
と、やる気があるのかないのかわからない声を発する、制服姿の女子高生の姿を目にしたことのある読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ところが法は日に日に厳しくなり、現役女子高生を雇用する、いわゆる「アンダー店」は完全に地下に潜るようになってしまいました。
抜け道を見つけて細々と未来を探るより、堂々と違法行為をして生き残ろうという反則的な打開策ですね。
そんなお散歩店のひとつが、『池袋GU探検隊』でした。
アンダー店が潰れると、数多くの少女たちが職を失います
GUにいた頃、サイトのプロフィールの将来の夢に「ライター」と書いていたので、覚えてくださっている奇特な方もいるかもしれません。
私の働いていた2015年~2016年当時、都内にアンダーを雇っている店はいくつか存在しましたが、そのどれもがさまざまな形で閉店を迎えています。
アンダー店は短命です。
とある店は、およそ3ヶ月ごとに夜逃げのように場所と店名を変えて営業を続けていました。
一説には、警察がガサ入れなどを行うための捜査に最低でも3ヶ月かかるため、その間はなんとか平気…などと業界内では噂されていました(あくまで噂の範囲を出ませんが……)。
いわゆるコミュニケーションルーム業態を「相席屋」と称する、奇妙なアイデアで話題をさらった新宿の店舗型コミュ、『制服相席屋』は2016年6月に摘発を受けています。
また、池袋の店舗型コミュ『ふぉーちゅんくっきー』も2015年9月に摘発を受け、2016年2月にガサ入れ。その時に裏オプを受けていた高知県の職員が、3ヶ月の停職を食らうという盛大な巻き添え案件も発生しました。
そういうわけでアンダー店は潰れていき、職を失う少女たちも数多く存在したわけなのですが、お店を卒業したあと(と言っても、前向きに卒業する人もいれば、追われるようにオーバーになる人もいるでしょう)の女の子は、一体どこへ向かうのでしょうか。
この連載(全3回)では、アンダー嬢たちは「どこから来たのか」、「何者なのか」、「どこへ行くのか」について取り上げていきたいと思います。
今回は、「どこへ行くのか」です。
アンダー嬢の3つの行き先
アンダー嬢たちは、大きく3つに分類することができます。
それぞれについて、勝手に解説していきましょう。
行き先①「オーバー(18歳以上の)店」のリフレ嬢
厳密に言えば更に裏オプを「する」、「しない」に分かれますが、このパターンは数多く存在します。
読者の皆さまにも、いろいろな店に思い当たる嬢がいることでしょう。
当然ながら「元アンダーが多い店」も局地的に現存し、裏オプの巣窟になっていると言われています。
行き先② 風俗嬢
このパターンはバンギャ・ホス狂い・ジャニヲタなど、「継続的に高額が必要」という理由でアンダー店に勤務していた嬢が多く辿る道です。
「ミテコ(身分証を提示できない子:高校生以下の少女を指し示す略語/元々の発祥は関西圏らしく、ホストやスカウトなどが多く使用する)」という言葉があるように、一部の身分証確認がゆるい風俗店やスカウトの口利きなどによって、アンダー時代から風俗店に勤務する少女も多く存在しますが、比率としてはかなり少ないです(危ない橋を渡ることになりますから)。
私がGUにいた時代、まわりの少女たちもだいたい4つに分類できました。バンギャ・ホス狂い・ジャニヲタ・その他です。
「その他」には、なんとなく遊ぶためにお金が欲しいとか、たまにしか出勤しないけど楽なバイトだからとか、そういう子たちがカテゴライズされます。
この少女たちは、オーバーになると通常のリフレ店に行く確率がかなり高いです。合法のリフレ店で稼げる範囲内の額でも、充分にやっていけますからね。
しかしバンギャ・ホス狂い・ジャニヲタ、この三大カテゴリの少女たちは、はっきり言っていくら稼いでも足りることはありません。無尽蔵にお金を必要としています。
風俗とパパ活(肉体関係を持たずに、デートのみで経済的支援をする男性を探す活動)との合わせ技を発動することも多いです。
最前列でバンドマンを見ることに固執したり、ホストに月100万円使ったり、ジャニーズのコンサートで数十万円の席を転売で購入したり、ある意味「不思議」とも言える頑張り方をしているのですが、彼女たちは彼女たちなりに命をかけて趣味をやっています。
だって、そうでなければ、いつ補導されるかもわからないアンダー店になんて所属しません。
よく
なんでもするからお願い!
と頼み事をする人がいますが、彼女たちは本当に「なんでも」します。
警察に連れていかれて親を呼ばれ、学校に通達される危険性と、最前列で見るバンドマンを天秤にかけたとき、勝つのは後者なのです。
そういうわけでバンギャ・ホス狂い・ジャニヲタ、こういう少女たちはしばしば風俗に落ちます。
しかも厄介なのが、アンダー店の相場は往々にして高いので(一般的なホテヘル・デリヘル嬢へのバックは大衆店で1時間1万円前後、もっと低いのでしょうか)、同じような収入を継続しようとすると、デリヘルなどを飛び越えていきなりソープに勤務する確率が非常に高いのです。
これは体感的にそうで、本当にいきなりソープ落ちするのです。奈落の底にまっしぐらです。
有名な埼玉や神奈川のソープランド(都内のソープランドは条例の制約上、18歳と19歳は働けません)にいる、「可愛いけど異常に慣れている嬢」は、もしかしたらアンダー店上がりなのかもしれません。
行き先③ 水商売・昼職
先述したように、オーバーになると同じようなことをしても一気に稼げる額が減るので、悟りを開いて昼職に就いたり、キャバ嬢に転身したり、パパ活を始めたりする少女も多いです。
どうでもいいですけど、私もそのパターンかもしれません。
今は時給を100の位で四捨五入すると、1,000円のメイドバーで働いています。
月収はGU在籍時の1/15ほどですが、それでもいいんです。
と言うのも、②で挙げたような「必死に高額を調達する必要がある少女たち」は、驚異のハングリー精神と原動力でどんな環境にも適応できるのでしょう。
それが無理という場合は、悟りに至ってしまうのです。
少女たちがアンダー嬢になるのは、だいたい高1の後半から高2、遅くて高3の前半の時期が多いです。
業界内に高1が早い段階で入ってくると、相当なレア物件扱いになります。
とにかくアンダー嬢でいられる期間は、長くて2年くらい、短いと数ヶ月しかありません。
18歳の誕生日を迎えたら、高校に在学していなかったり、あるいは在学していないことにすれば、キャバクラや風俗店で働いたりと選択肢が一気に広がります。
が、それと同時に“商品価値”も著しく下落します。
18歳に満たなければ、たとえば「出稼ぎ(一定額の給与を保証して貰い、地方のデリヘル店などに短期間勤務する)」なんかには行けないし、クレジットカードも作れません。
とにかくいろいろと不便なことが多いので、アンダー嬢は「早くオーバーになりたい」と言っていたりしますが、その反面「オーバーになりたくない」と言う子もいます。
後者は、商品価値が下落することを解っているからです。
アンダー業界は非常に狭いです。顧客層も店の数も全てが狭い。
けれど風俗嬢になると、アンダー業界の何十倍も広大なマーケットで自分を売り込み、戦っていかなければいけません。
それは困難をきわめることで、何より争いは圧倒的に熾烈です。
そこに耐えられない、あるいは「そこまでしたくない」少女は悟りを開いて性産業から脱出(脱落とも言えますが)します。
このシリーズは、『GU探検隊』時代に体験したこと、思い出、当時かかわった少女たち、そういうことを細々と書いていく連載です。
もし良ければ、お付き合い下さいませ。
vol.2アンダー嬢たちはどこから来たのか
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