読者投稿40代後半の男性

　９月の上旬、空き時間を利用して『ワクワクメール』を覗いてみた。
　たまたま見かけた書き込みに、試しにハメ撮りのお誘いをかけたらスイッとアポが取れてしまった。
　待ち合わせはススキノ、ラフィラ裏の仲通りだ。

　私は好奇心半ばに出かけてみた。
　プロフィールは19歳、身長160～164cm、「普通体型」とのことだったが、現れたのはどこから見ても「ヘビー級」のお方だったので、残念ながら丁重にお断りして帰途についた。
　どうもラフィラ裏の仲通りは、援デリ業者が多いらしい。

　途中、ヤマダ電機で4,980円の電子レンジを買って帰ったが、その「チ～ン」という音に合わせて合掌すると、不思議と心が洗われたような気になって、懲りない私はまたアダルト掲示板を物色してしまうのであった。

　その翌日、たまたま掲示板のトップに、別の18～19歳、身長160～164cm、普通体型の女の子の書き込みがあった。
　前日と違い、こちらはすでに返信が５件入っているので望みは薄い。
　だが懲りない私のことである。
　これまた、ものは試しとハメ撮りのお誘いをかけてみた。

　またもや「いいですよ」と即答、待ち合わせもラフィラではないがススキノの一角。
　一体どんな業者かと思わないでもなかったが、アポが取れたものは仕方がない。
　待ち合わせて会ってみることにした。

　現れた女の子は、やはりどこから見ても「普通」とは言えない。
　いや、「ヘビー級」ではなく、「超ライト級」なのだ。
　スレンダーより細く、太ももが普通の女の子のふくらはぎ程度の太さしかない。
　これも、プロフ詐欺と言えばプロフ詐欺である。
　いくらなんでも細すぎると思ったが、顔立ちは端正で整っている。
　私は少し迷ったが、合流してホテルに入った。

　脱ぐと余計に細くなる。
　抱き心地も今ひとつではあったが、端正な顔立ちは写真に映える。
　それだけでも収穫と考えることも、玉石混交のアダルトの出会いでは大切なことだ。

　彼女はもうじきハタチになるそうだが、実はこの２年ほどの間に20キロも痩せたという。
　最初は普通と言うには無理のある樽型だったのだが、減量で普通を通り越し、今の超スレンダー体型になってしまったらしい。
　彼女はワクワクメールに登録して２年目、昼間は学生らしいが、他にもいくつかのサイトを掛け持ちしている本業さんのようだ。

　彼女いわく、

「最近のワクワクってショボくなってきてない？」

　私も全く同じように考えていたので、しばらくこの話に花が咲いた。

　彼女によると、ワクワクを始めた当初は良かったのだが、昨年あたりから、アダルトで募集をかけたときの手応えが悪くなってきたという。
　投稿すればそこそこ返信は来るものの、なかなか会うまでには至らない。

「今年になって女の子の書き込みも激減してるよ」

「それはなんとなくわかる。最近掲示板に募集出すとすぐに返事だけは来るんだよね」
「でも中身はますますひどくなったよ」

　彼女によると、本当に割り切りで会えそうな相手かどうかは２、３回やり取りすれば大体予想がつくとのこと。
　男からの返信の半分以上は割り切りで会う気のないダラメ、実際に待ち合わせしても相手が来ないことが半数近くあるらしい。
　会ってみたら援デリ業者の勧誘だったり、実はタダマン狙いだったりすることも多く、当初の目的を達成できるのは３～４回に１度とのこと。
　そのため、他のサイトも合わせて手広く展開しているのだが、どこも実情は変わらずということらしい。

　そこで、希望条件を単刀直入に明示する私のメールを受け取り、直感で「これは会える」となったようだ。

「本当に生活かけてサイトやるなら選り好みなんてしてられないし、こんなにムダ足が多いとやってられない」
「こんな感じだから、女の子も嫌気がさしていなくなったんじゃない？」

　私は少し、現在の札幌のアダルト事情を理解できたような気がした。