ライターかえるくん東京オリンピックを救う
40代の既婚男性は、今の若者を羨ましがっているのではないだろうか。
そうだ。『pairs(以下、ペアーズ)』をはじめとした、Facebook認証の出会い系サービスの存在について。
僕たちが若かった頃の出会い系なんて、業者とブスとメンヘラの夢の国だったのだから。
今や出会い系は「オンライン・ディーティング・サービス」と言う名称になり、不健全なイメージは皆無だ。
僕たち既婚男性はペアーズに参戦できない。
Facebookのプロフィール欄のステータスが「既婚」になっていると、認証が不可となってしまう。不合格なのだ。
フリーメールアドレスを使い、偽アカウントを作成
でも安心してもらいたい。何事も裏ルートはある。裏口入学は特別な金が掛かるが、この方法はなんと無料だ。1円も金が掛からない。
僕は、驚愕の手法を悪友である「山田(仮名)」から聞いたのだ。山田はその手法で何人もの美女と出会い、そしてモノにしてきたと言う。
山田は説明を始めた。
まずは、Facebookで本アカウントとは別の偽アカウント(以下、偽アカ)を作成する。フリーメールアドレスさえ持っていれば簡単に作れる。
プロフィール欄だが、名前は偽名だ。ステータスは当然ながら「独身」を選択。これで簡単に偽アカが完成する。
合法なやり方です。300人のFacebook友達も1日あれば作れます
でもここで障害にぶち当たる。作ったのは偽アカ(偽名)だ。当然ながら、リア友に友達申請はできない。
さて、どうするか。ここで山田の裏技が発揮される。
僕はどうせ、海外(主に東南アジアや南アメリカ)のリストを買うのだろうと思っていた。少し前に、そういうFacebookページの登録者数を水増しする技法が流行していたからだ。
いわゆる“ステマ”、ステルス広告と言うヤツだ。
でも、『ペアーズ』のプロフィール欄にはFacebookの友達数も表示される。“リア充感(イケてる感)”が重視されるペアーズでは、最低でも200人~300人のFacebookフレンドが欲しいところだ。業者なんて使っていたら、出費が痛い。
山田は笑いながら僕の仮説を否定する。
そんなインチキ臭い業者なんて使いません。ステマでもありません。完全に合法なやり方です
そして、その驚愕の手法を語り始めた。
簡単です。300人のFacebookの友達も1日あれば作れます。その方法は…
正解は、「政治家と友達になる」事だった!
山田は言った。
正解は政治家へ友達申請する事です
意外な答えだった。
でも、僕の頭の中でもすぐにピンと来た。
そうか。政治家はFacebook上の友達数を増やしたいはずだ。政治家としての影響力の強さを誇示し、そこからコアな支持者を育て上げたいからだ。
そして、政治家および代行してソーシャルメディアを運用している秘書たちは、総じてITリテラシーが低い。
山田は解説を続けた。
ポイントは、まず1人の政治家と繋がる事です。それも国会議員クラスのある程度の実力者が望ましいです
山田は煙草を吸いながら語る。
1人と繋がれば、後は簡単です。芋づる式に政治家のFacebook友達や熱烈な支持者、ネトウヨ(ネット右翼の略称)の連中と友達になれますよ
僕は約3日で、●●人の友達を無料で獲得する事に成功した
僕は試しに、Facebookの偽アカで政治家へ友達申請をしてみた。
もちろん僕は政治になんて何の興味も無いし、その政治家の政策もどうでもいい。ただ、Facebook上のバーチャルな友人を増やすためだけの行為だ。
すると山田の言う通り、いやそれ以上のペースで僕の友達は増えていった。
政治家たちからの友達申請も数多く来た。
そして、僕は約3日で1,232人の友達を無料で獲得する事に成功したのだ。
偽アカは年齢を詐称でき、ツッコミを受けずに済むのがメリット
偽アカを作るメリットは、実はもう1つある。年齢を詐称できる事だ。
僕のような40代男に『ペアーズ』が不利なのは、例えどれだけ年収があり、どれだけイケメンで、どれだけ素晴らしい社会的ステータスを持っていても、40代というだけで“足切り”されてしまうからだ。
女性は男性を探す時に、「年齢」でスクリーニング(選別)を掛ける。ペアーズ内の検索条件を「20代~30代」と設定されてしまえば、どんなにイケてる40代でもアウトなのだ。
偽アカの効果は他にもある。職業や学歴などを、自分好みに入力できる事だ。
リアルなFacebook友達が存在しない以上、指摘を受ける事は無い。ツッコミを受けずに済むのだ。
こうして既婚者である僕は、ペアーズという天然の動物たちが生息しているジャングルへ降り立つ事に成功したんだ。
余談:僕のタイムラインは、ヘイトな井戸端会議場になった!
閑話休題(かんわきゅうだい)。
この手法を実践した後、僕は日常で接した事が無い数多くのネトウヨ達と友達になった。
わざわざFacebookで一般人が政治的発言をする時点で“非リア充”であり、自我が歪んだ“イカレた連中”なのだ。僕の偽アカのタイムラインは、ヘイトな発言や科学的根拠に乏しいトンデモ発言、歴史認識の著しい歪曲化などのファックなコメントで溢れた。
僕には新鮮な驚きがあった。もう1つの日本がここに存在した。
テレビでは決して報道されない、マイノリティでイカレた連中の戯言(ざれごと)。こういう連中の発言を、一定の距離感を保ちながらROMる(見るだけにする)のは楽しい体験だった。
是非、皆さまへもオススメしたい。
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