EGweb.TV

“女を求めるは男の本能”
欲望を追求し続ける男性向けWebマガジン。
マルチなR-18ネタを年中無休でお届けしています。

【書評】現れるのは神か悪魔か『神待ち少女』

オススメ特集記事

【調査報告】“イマドキJD”と簡単に出会う方法が判明wwwww
“イマドキJD”と簡単に出会う方法とは!?(バナー)
【EGweb】有料サービス
【書評】現れるのは神か悪魔か『神待ち少女』
【EGweb】運営者江川

 5日振りの更新となる今回も、書籍レビューをしていきます。

『援デリの少女たち』のAmazon注文ページで紹介されていたのが、本書を購入したきっかけです。


記事内でこのように囲まれた文章は引用です。



概要



 ご紹介するのは「黒羽 幸宏」さん著、神待ち少女たちを追ったリアル・ノンフィクション

 第1刷発行は2010年2月21日、およそ2年前の本です。


21世紀の日本に現れた「神待ち少女」。彼女たちは携帯の掲示板を使い、その日の宿や食事を無償で提供してくれる「神」を求め、街やネット空間をさまよっている。「神」とはいったい何なのか?現在の10代女子のリアルな姿を描く渾身のノンフィクション。

【Amazon内容紹介より】


 表紙に写った少女とキャリーバッグ、そして裏表紙の夕刻の歌舞伎町が哀愁漂う本書。

 “神待ち”関連では、これでようやく2記事目となります(笑)

ピックアップ



「500円くれる神様いませんか?」



 そもそも「神待ち」という言葉が流行り始めたのは、2008年の夏前ぐらいだという。
 基本的には家出少女たちが神待ちの主役らしい。年齢は10代から20代前半で、携帯の家出サイトやプロフを経由して神を募っているという。
 私はある人から教えられた携帯電話の無料家出サイトへとアクセスしてみた。液晶画面に映し出された書き込みを見て、私は絶句してしまった。
「サイフに50円しかないの。500円くれる神様いませんか?」
「あと2時間でネカフェ追い出されちゃう。助けて。マジ金ない。硬いイスで寝るの限界だよ。フトンで寝たいよ。お金も欲しい。誰でもいいから神になって。でも、エッチ系は無理!」
(中略)

 不気味だったのは年齢の欄だ。ほとんどが90歳代や、100歳代となっている。これは後から都内のサイト運営会社に取材してわかったことだが、児童売春問題で槍玉となった出会い系サイトへの規制として18歳以下の年齢では書き込めなくなったため、少女たちは13歳なら、93歳や103歳として書き込むようになったのだという。


「私は脱がないし、舐めないし、触らせない」



 出会い喫茶初体験にして神と遭遇したアヤ。相手は自称35歳の太った男だった。カラオケへ一緒に行くだけで3万円払うという条件を提示してきた。
「神キターって感じで小躍りしたけど、オケ屋へ入ったら、ブヒブヒ鼻を鳴らしながら、手コキしてくれと懇願されてね」
 世の中、そんなに甘くないよな、と思いながら、彼女は神にこう条件をつけた。
「私は脱がないし、舐めないし、触らせないよ、と。それを守れて3くれるならする。神は喜んでOKしたんだけど、ずっと『こんなガチガチのチンポ触って、オマンコ濡れたでしょ?』って尋ねてくるわけ。お前みたいなブサメンにマンコ濡れるわけねぇーだろってね」
 男はものの5分でアヤの手に大量の精液を放出した。男はいそいそと自らの性器をオシボリで拭うと、爽快さと無念さが複雑に交錯した表情で、財布から3枚の万札を取り出した。
 アヤは精液の臭いが漂う自らの手にある3万円を見ても、罪悪感や焦燥感という類いの感情は抱かなかったという。


「お願いです、誰か300円ください」



 ユウコは高校2年生。17歳だ。制服姿で待ち合わせ場所である駅の改札前に立っていた。
 黒髪のどこからどう見ても普通の女子高生。複雑な問題も抱えていそうにない顔をしているし、話をしていても健全な家庭で、常識的に育てられてきたことがわかる。
 では、どうして彼女は神待ちサイトにアクセスしたのだろうか。
 彼女の書き込みはこうだった。
「●●駅にいます。緊急事態があってどうしても300円必要です。お礼は一切できませんが、お願いです。誰か300円ください」
 私はこの書き込みを見てすぐにコンタクトを取った。
 いったいどんな「緊急事態」が起こったのかを知りたかったし、300円という中途半端な金額がどうにも気になったからだ。(中略)

 ユウコは私と会った瞬間に、茶目っ気たっぷりの表情でこう言った。
「すいませんね。東京からわざわざこんな田舎まで。ありがとうございます」(中略)

 彼女は神待ち初体験なのだと笑う。


「今日は布団で眠れると思ってたからショックで……」



 ミカを拾ったのは歌舞伎町にあるバッティングセンターの入り口だった。(中略)

 どこからどう見ても家出少女にしか見えない。足元には大きめのバックとドン・キホーテのレジ袋があった。レジ袋を見ると洗面具とタンポンが透けている。間違いないだろう。
 声をかけると彼女は怯えた小動物のような顔で私を見てこう言った。
「ラブホへ泊まる予定だったんだけど、お金がないから宿泊は無理って言われて……」
 彼女は出会い喫茶で中年の神と遭遇しラブホへ行った。ところが、神は彼女の手で射精すると満足したのか、宿泊料金を払いたくなかったのか、約束を反古にして去っていった。
 休憩料金と宿泊料金では確かに5000円以上の差が出るから、神の判断はわからなくもなかった。
「ずっとマックや満喫で寝ているから体中が痛くて。疲れも取れないし。今日は布団で眠れると思ってたからショックで……」
 非常にシリアスな話をしている彼女だが、至近距離で話していると猛烈な臭気が漂ってくる。(中略)

「あのさ、エキサイティングな臭いが全身から出ているけど大丈夫か? 馬糞の山に飛び込んだわけじゃないよな?」
 嘘をつくと信用もされなければ、本音も引き出せない。この手の女の子を取材するときのルールである。


「タンスって言ったらコインロッカーでしょ?」



 昼過ぎにラブホを出ると、ミカはタンスに荷物を入れると言った。いったいなんのことだかわからず、質問すると、彼女はやれやれという顔をしてこう答えてくれた。
「コインロッカーのことだよ。常識だから。タンスって言ったら、コインロッカーでしょ?知らないの?」
 恥ずかしながらまったく知らなかった。
「街中にタンス増えてるから宿無しにはありがたいよ。ほら、家出してたり、難民している女の子ってキャリーバック持ってるでしょ?あれは便利だけど、日雇い仕事とか見つかると不便なんだよね」
 神待ち少女の多くは、日用品や全財産をキャリーバックに入れて行動している。(中略)

「だからね、仕事があるときはタンスに突っ込んで行くんだよ。駅のタンスよりも安いし、なにより街中にあるのが嬉しいよね。コインパーキングなんて最近はいつもがら空きなんだから、全部潰してタンスにすればいいのにって思うよ」 
 世の中は知らないことだらけだな。そう言うと、化粧をして別人に化けたミカが笑った。


「これでしばらくはごはんが食べられる」



 中学へ入学する頃、クミは途方に暮れていた。母親とは半月以上も音信普通で、食費が底をついてしまったのだ。(中略)

 自暴自棄になったわけでも、孤独という苦痛に耐えかねたわけでもなく、生きるために、食い扶持にありつくために、彼女はテレクラを選んだ。
 自宅に電話がないため(母親専用のケータイはある)、公衆電話から深夜にテレクラへとダイヤルを押す中学生。(中略)

 30分ほどで高架下近くにあるラブホへ。緊張よりも、好奇心が勝っていた、と話すクミ。部屋に入ると、広いベットとお風呂に感動した。同時に、これからすることを想像すると興奮もした。(中略)

 処女喪失には痛みも出血もなかったが、妙な高揚感だけはあった。気が緩んだクミは、男に本当の年齢を明かす。
「慌てて財布からお札を出して『今日のことは誰にも言っちゃダメだよ』って。数えたら万札が8枚もあった。ああ、スゴイことしたのかもって思ったけど、これでしばらくはごはんが食べられるって安心したことを覚えている」


「食事と家の面倒を見ているのだから、セックスするのは当然」



 数人の神を取材して私はある共通点を見つけた。
 神の多くは金もない。夢もない。幸せがどういうものかもよくわからず、人生にほとほと飽きていた。
 そして劣等感を持ち続けながら惰性で生きているようでもあった。(中略)

 都内の住宅街で老いた親と暮らす42歳の無職男は、神待ちサイトで出会った少女にわいせつ行為を繰り返している。(中略)

「食事と家の面倒を見ているのだから、セックスをするのは当然だと思っている。恩を受けたら、それを返す。金銭がないのだから、身体で払うしかないでしょう」
 力士体形のこの男は、狙った獲物は絶対に逃さない。神待ちサイトで寝床を探す少女を見つけると、写メを送らせる。好みのタイプならばどんなに遠くても愛車を走らせ、全国どこへでも迎えに行く。


「私を見守っていてよ!」



 神待ち少女の鍵を握っているのは父親たちなのだ。
 それが証拠に、少女たちを取材していて「私を見て!」「私の話を聞いて!」「私の味方でいて!」「私を見守っていてよ!」という悲痛な叫び声を、私は常に感じていた。
 その叫びは私に向けられた声ではなく、あきらかに父親に向かって放たれていた。彼女たちの心は、まだまだ子供だった。甘えて、すねて、かまってほしいとねだる子供だった。
 でも、それが叶わぬことを理解した少女は、自力で理想の神を探し続ける。
 神待ち少女が好むホストも、狩猟的なたくましさと、営業ではあるが、圧倒的な優しさが同居している。料金を支払ってまで見たいと願うのは、自分たちが追い求め、思い描いた理想の父親像だからではないだろうか。


レビュー



 いつの頃から、「神待ち」という言葉を耳にするようになったのだろう。

 ネットで検索してみると、瞬く間に数百万件以上の結果が表示される。

 裏を返せば、それほど多くの男性が興味を示しているということでもある。

 見返り無しで助けてくれる“神”は、その中のごくわずかだ。

 本書は、男性たちに助けを求める少女たちの姿を、生々しく描き出している。

 援交娘と神待ち少女は、似ているようで本質は全く違う。

 前者は金を稼ぐために、生きるために自分の身体を売っていた。

 彼女たちにとっての援助交際は、“仕事”という誇りがあった。

 自分の身体を資本として、道を切り開こうとする気概も見えた。

 その一方で、神待ち少女はどうだろうか。

 対価を差し出そうともせずに、「泊めさせて」、「ご飯食べさせて」、「お金ちょーだい」などの書き込みをしている姿が目立つ。

『平和が一番』という事なかれ主義で、奉仕してくれる男性を探しているのだ。

 だからこそ、彼女たちは“神”と呼ぶのだろう。
 
 もちろん、家出や貧窮などによって、神を待たざるを得ない少女もいる。

 しかし、衣食住が全て整っているのにも関わらず、刺激を求めるために神を待つ少女は多い。

 彼女たちの前に降臨するのは、神か悪魔か。

 それは、神待ち少女にしかわからない。

 神待ち少女の生態を知りたいのなら、ぜひ読んでおきたい一冊。


目次


はじめに
第一章 神の降臨を願う少女たち
第二章 元神待ち少女の降臨
第三章 神待ち少女の告白
第四章 神の告白
第五章 神待ちの真実
おわりに



【悪用厳禁】「誰か泊めてください…」家出少女が集う『神待ち掲示板』の実態
家出少女が集う『神待ち掲示板』の実態(バナー)
4.5 rating

コメントする(承認制です)

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Return Top