これはとあるデリヘルで働く、わたしの友人Xの話である。
彼女は入店して4ヶ月ほど。ぼちぼち本指名のお客様も付いてきて、新人を卒業し始めた時期の風俗嬢だった。この業界は往々にして嬢の寿命がとても短い傾向にあり、3ヶ月もてば長いほうだと言える。
そんな彼女の常連客の1人が、意味の分からない性癖を持っているという…。
僕のことは、「ミッキー」と呼んで下さい
「こんばんは♪」
(声、高いな…)
Xの第一印象はそれだった。家は至って普通のアパート。古いながらもそこそこ小奇麗にしていて、印象は悪くない。芳香剤が焚いてあるのか、ほのかにいい香りも漂っていた。
ただ、声変わりをしていない男子中学生のような声のみが気にかかった。
年齢は30代前後といったところだろうか。部屋に入って行くと、やけに多いぬいぐるみが目に付いた。プーさん、ミッキー、ミニー、ダッフィー…全てディズニーキャラクターのぬいぐるみだった。
稀に、男性にもディズニー好きは存在する。テーマパークが好きで、ついつい行くたびにぬいぐるみを買ってしまい、部屋の中に増えていくのだ。彼女がディズニー好きで、付き合って通っているうちにハマっていく男性も珍しくない。
が、それにしても彼の部屋のぬいぐるみの数は異常だった。
それほど広くない8畳ほどの部屋のあちこちに、取り付け型のスペースが設けられており、その上にぬいぐるみが所狭しと並んでいるのだ。戸棚はほぼぬいぐるみで埋まっている。それでも入りきらないのだろうか、ベッドの横にも置かれていた。
「僕のことは、『ミッキー』と呼んで下さい」
彼はそう言いながら、脇にあったミッキーのぬいぐるみを動かす。
(芸が細かいな…)
少々引き気味のXだったが、悪い人ではなさそうなので、とにかく無難に話を合わせておく。
「ミッキーさん、よろしくね。じゃあ、わたしはミニーだね」
「ミニーとミッキーは恋人だよ」
先行きが不安になりながらも、シャワーはすんなりと浴びてくれ、何の問題もなかったので一安心する。
ベッドに入り込むと、またミッキーを動かしながら彼は言った…。
「タッチミー」
(???????)
頭の中で「?」が渦巻いたが、「触れ」ということなのかと遅れて認識。ぎこちない笑顔を浮かべながら、Xはいつも通りにプレイをこなしていく。
Xは売れっ子というわけでもなく、指名が多いというわけでもない至って普通のキャストだった。満足度は低くはないが、また指名するほどでもない…という印象を与えがちなのが悩みらしい。
どうやら、ミッキーはM寄りらしい
乳首をサワサワしていると、「ミッキー」がまた何かを言い始めた。
「タッチマイジュニア」
(何とかならないのかな…その中学英語)
全力で突っ込むが、ミッキーの暴走は止まらない。完全にミッキーになりきってプレイするのが、彼の興奮ポイントらしい。「ミッキー」と呼ぶたび、嬉しそうに、もっともっと声を高くするのである…。
「オォ」
喘ぎ方ももはや外国人寄りだ。なんだか、引くを通り越して面白くなってきた。
Xはいつもより乗り気になってガンガン攻めていく。どうやら、ミッキーはM寄りらしい。こちらが責めるたびに、大きく体をくねらせて気持ち良さそうにするのだった。その声と外見のアンバランスさが、ひどく笑いを誘う。
まだまだ驚きは終わらない。フェラチオを続けていると、ミッキーはついに我慢できなくなったらしい。Xの上に馬乗りになった彼は…
「ミッキマーウスミッキマーウスミッキミッキマーウス♪」
なんと歌い始めたのである。自分のソレをこすりながら、Xの上に乗ってミッキーマウスのテーマを歌う…。そしてすぐ、彼は果てた。
「どうもありがとう」
プレイが終わると英語は戻るらしい。ミッキーはやけにスッキリした顔で、ティッシュでXのお腹を拭き取りながらお礼を言う。
謎の“ディズニープレイ”ではあったが、非常に丁寧で優しく、いい人のようだった。すぐにお茶を入れて持って来る、その優しさにもキュンとする。
「また、夢の国に遊びに来てね☆」
時間を迎えてドアを開けると、背中越しにミッキーが呼び掛けてきた。
(デリヘルで夢の国も悪くないかな…)
そう思ったXであった…。
最後に
わたしはデリヘル嬢時代、これほど奇妙なお客様には残念ながら出逢った事はない。
が、色々な設定でキャストの反応を楽しむお客様は、少なからずいるようである。そんな上級者向けの遊び方も楽しいのかもしれない。
勇気とユーモアセンスに自信のあるあなたはぜひ!
ここまで振り切って楽しめるのもある意味凄いな・・・
職場の上司がこんな事してたら威厳もあったもんじゃないけどなww
「幼児プレイ」にハマる中年男も多いらしいぞw
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