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「こんな美少女が俺なんかに…」とある性感エステ店の“基盤キャスト”、驚きの正体

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「こんな美少女が俺なんかに…」とある性感エステ店の“基盤キャスト”、驚きの正体
ライター夕花みう

 これは数年前、わたしのお客様がとある性感エステ店で実際に遭遇したキャストの話である。珍しいパターンなので、もしかしたら特定されるリスクがあるかもしれないが、了解は取ったため、ある程度ボカしながら書くことをお許し頂きたい。

これは、当たり嬢だぞ…



『コンコン』

「はじめましてっ」

 ドアを開いてやって来たのは、小柄で細くタレ目が可愛らしいキャストだった。「美少女」と言って差し支えない。ストレートの茶髪がよく似合う。

(これは、当たり嬢だぞ…)

 それがMさんの第一印象だった。風俗にいる女性にしては清楚な感じがするし、化粧もナチュラルメイク。これからの展開を考えると、Mさんは純粋にワクワクした。

 ここでMさんのスペックを述べておこう。Mさんは40代中盤、顔は濃い目で、ダンディな雰囲気が漂う大人な男性である。若い女性からも好かれそうな渋さと落ち着きを兼ね備えている方だ。それがあんな結果を招くとは…この時、露ほども思っていなかっただろう。

 Aと名乗るキャストは、Mさんの服を丁寧に脱がせた後、シャワーを浴びるように促した。ここまではマニュアル通りである。エステ店のお客様は、1人でシャワーを浴びるのが常識なのだ。
 シャワールームから出ると、なんとAは全裸で待機していた。あどけない体つきが、その筋の男性にはたまらないだろう。

「えっ…Aちゃん、服は?」
「イヤですか?」

 ジッとこちらを見つめてAが聞いてくるので、Mさんは嫌とも言えずベッドに横になる。話の流れから、彼女は今日が初めての体験入店であることを知った。そして、Mさんは3人目のお客様とのこと。
 そう話している際にも、Aの湿った部分が体に当たる。エロい。確かにエロいのだが…少々見た目とのギャップが過ぎる積極性に引いてしまうのだった。

この子は何が目的なんだろう。裏があるんじゃ…



「Aちゃんさ、みんなにこうしてるの?男の人、勘違いしちゃうからやめた方がいいよ。襲われちゃうよ…」
「……くて」

 Aが何かを小声で言った。

「え、なに?」
「してほしくて…」

 驚いた。この店の常連と言えるほど来店していないが、他にも数人のキャストに付いたことがある。
 だが、こんなキャストは初めてだった。

(何か裏があるんじゃ…)

 馴染みにしている店とはいえ、体験入店だと言う彼女の行動に不安になる。

「Aちゃん、ここエステ店だし、俺は他に払えるお金なんて持ってないよ。ちゃんとサービス通りにしてくれれば満足だから…」
「ちがうんです。そういうのじゃなくて…」

 Aの可愛らしい顔が目前に迫ってくる。半ば強引にキスをされた。

「イヤ?」
「…イヤじゃないけど…」

 こんなキャストもいるものなのかと、驚きの気持ちで一杯になる。

(性病を持ってたらどうしよう…)

 一応ゴムを着け、Aのなすがままにセックスをする。特別にエロいとかそんな印象はない、至って普通のセックス。痴女というわけでもなく、ユルマンなわけでもない。そこがますます不思議に思えた。

 歳を聞くと、19歳だと言う。

(こんな若くて可愛い子が俺なんかに…)

 Mさんは疑心暗鬼に陥っていた。

「気持ち良かった…」

 Aが抱き付いてくる。サラサラな指通りの良い髪を撫でると、まるで恋人同士のような感覚を味わった。
 こういう営業スタイルなのだろうか。確かに可愛いし、本番もできたし、セックス自体も悪くはない。でも、なんだか引っ掛かる…。

(もう指名することは無いな)

 Mさんはぼんやりと思っていた。そんなMさんとは裏腹に、Aはとても人懐っこい。

「アドレス聞きたいです。ダメですか?」
「え…」

(この子は何が目的なんだろう)

 いよいよ怪しく思って丁重にお断りすると、Aは本当に落ち込んだような表情を見せた。その表情がいたたまれず、Mさんは慌てて付け加える。

「次来るから、その時は教えるからね」

 この言葉が次の悲劇を招いてしまうのだ。

会いに来てくれたの!?きゃー、うれしい!



 数週間経ってからの事。なんとなくまたエステ店へ行きたい気分になり、嬢を探すためにHPをチェックすると、あのAが出勤リストにいることに気付いた。もちろん、指名する気はない。お目当ての他の嬢を決め、受付をするべくビルに向かう。
 この店は「受付型」である。料金は前払い制、来店してから店員にお金を払うことになっている。Mさんはいつも通りエレベーターで受付に向かおうとした…その時。

「あっ!お兄さんお兄さん!」

 声の主は、なんとAだった。変わらない様子で嬉しそうにこちらに向かって来る。

「会いに来てくれたの!?きゃー、うれしい!ずーっと待ってた!」

 Aは嬉しそうにMさんの腕にまとわり付いてきた。「いや、違うよ」と言うほどの冷たさは持ち合わせていない。そのまま半ば無理やり引っ張られてしまい、二度目もAを指名する事になってしまったのだった。

「ずっと会いたかった…」

 シャワーを浴び終わると、またもやAは全裸で待っていた。そして抱き付いてくる。一般的に見れば美少女の類だ。確かに、悪い気はしなかった。

 が…流れでした二度目のセックスも、Mさんにとってはただの性欲処理にすら満たないものだった。せっかく抜きに来た割には、満足感が薄い。Aのやたらと人懐っこい様子がそうさせるのだろうか。
 ただ、本当に自分がタイプで、これほどガツガツと接客してくれたとは素直に思えなかった。淫乱というわけでもなさそうだ。一体、何が目的なのだろう…。

「ねっ。約束だよね。連絡先教えて」

 そう言うと、AはMさんの携帯を操作し始める。いつの間にか、勝手に自分の携帯へ空メールを送信されていた。

(まぁ、連絡先だけだし…)

 軽い気持ちで考えていたMさんだったが、Aとの関係はそれでは終わらなかった。

僕は君の彼氏にはなれない。さようなら



 Aは依存癖があるらしい。ひっきりなしに携帯が鳴る。仕事前、仕事終わりは当たり前、朝のあいさつや夜のお休みまで、一通も返さなくてもどんどんメールを送ってきた。あまり返事をしないことが続くと、絵文字だけのメールが送られてくる。典型的な構ってちゃんだった。
 好意を持っている相手がそんな風に絡んでくるなら可愛いものだが、Aの場合は度が過ぎている。彼女の連絡はエスカレートしていく一方だった。

「疲れる…」

 携帯を見るのが憂鬱になったある日、Mさんは思い切って『僕は君の彼氏にはなれない。好きじゃないから。さようなら。』と冷たく書いたメールを送って着信拒否をすることにした。これで全てが終わった…はずだった。

 またまたAと再会したのはその数週間後だった。

(これで気兼ねなく店に行ける)

 Mさんは再び受付に向かった。もはや顔馴染みになった店員とやり取りをし、ホテルを決めるべく下に降りようとした時である…。

 Aがエレベーター前にやって来たのだ…。
 恐怖の瞬間だった。どうやら、受付の声を盗み聞きしていたらしい(待機場所が店のすぐ近くにあるという構造上、仕方ないのかもしれないが)。

(どんな地獄耳だよ…)

 向かって来たAは、「怒る」と言うよりはすごく悲しそうな表情をしていた。怒っているのなら店にクレームを付けることもできるが、今にも泣きそうな顔をしているのでどうも反応しづらい。

「どうして…なんで嫌いになっちゃったの…」

 か細い声でAは言う。Mさんはとっさに言い返せない。

「…いや、嫌いになったっていうか…」
「なんでお店に来ても指名してくれないの?そんなイヤになった?」

(なんなんだコイツは…粘着質なのか?)

「着信拒否したでしょ?」
「うん…まぁしたけど…」

 その時、エレベーターのドアが開いた。神の救いに思えて、とっさに滑り込む。と、Aも脚を入れて乗り込もうとしてきた。だが、タイミングがすれ違ったらしく、間一髪逃れられたのだった…。

最後に


(Aがいる間はこの店を利用するのはやめよう)

 そう心に誓ったMさんだったが、ネットで調べてみても他のキャストに聞いてみても、特に悪い話は聞かない。むしろ、ぼちぼち人気のあるキャストのようだった。確かにメンヘラっぽいキャストではあったから、「本当に好かれちゃって、どうやって距離を縮めたらいいのか分からなかったのかもね」なんて笑われる始末である。

 運が悪いというのか、なんとも言えない後味の出来事である…。

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4.5 rating

当記事の著者

現役女子大生ライター風俗・お水業界三冠王夕花みう
現役女子大生ライター。キャバクラ、デリヘル、性感マッサージでナンバーワンを取った三冠王。性愛道の修行僧、もしくはエロテロリスト。

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