読者投稿30代後半の女性
お嬢さんズが向かって来て、私達のテーブルに『ででん!』と置いたもの。
それは…ドンペリニヨン。高価で名の知られる、だけど実はぶっちゃけ大して美味しくない、例のアレです。
「お姉さ~ん、歌うっまいねー!アタシ感動しちゃったー。これ!飲んで飲んで。アタシからプレゼントー。一緒に飲も飲もっ☆」
なるほど、確かにこういう事も時には有ります…有りますが…確かそのボトルは、1本3万5千円~4万円はしたはずです。
それを1本丸々持って来て、見知らぬ人に飲めと言う。
私はお酒が飲めませんし、正直ありがた迷惑です。
(他のテーブルに乱入とは…無粋な人だなぁ…。ていうかこの子、もうワケが分かってないのじゃないか)
そう思っていると、同僚がブチギレて、「要らない。あっち行って」と言ってしまいました。
頬が怒気に染まったお嬢さんに、慌てて「まぁまぁ。ありがとね」と中間管理職よろしく宥め、「連れが失礼な事を言ったお詫びに、安酒ばかりで申し訳ないが、テーブルで好きな酒が有れば一杯飲んで欲しい」と言い、何とか場は収まりました。
どうでもいいけど、私は人一倍喧嘩っぱやい癖に、他人がおっぱじめようとすると脊髄反射で止めちゃうんです。何故なんでしょうね?
お嬢さんが一杯飲むと、コメカミがピクピク来ている私の同僚に怯えた担当ホストが、お嬢さんを元のテーブルへと連れ去って行きました。
私「ちょっとあれ、飲ませ過ぎだろ。大丈夫なの、色々」
ホスト「料金説明しても、『持って来い』って言うんで仕方ないんですよー」
まぁ、分かって遊んでいるなら、私がどうこう言う事じゃないですよね。
同僚「アンタ…なんで止めたのよ。鬱陶しい!」
私「えー。だって明日出勤じゃん。顔にアオタン作るのは良くないよ(笑)」
こんな事を話している内に、同僚のご機嫌も直り、「もうちょっとしたら帰るか~」などと話していたその時、騒ぎが起きました。
オーナー呼びなさい
例のテーブルで何やら揉めています。
見てみると、気が付けばお嬢さんAは撃沈。意識が有りません。
お嬢さんB(テーブルに来た方)が、何やら怒り狂っています。
「こんなの聞いてない!最初にいくら飲んでも5千円って言ったもん!!」
「こんなお金持って来てないし!詐欺じゃんこれ!ボッタクリ!」
確かにボッタクリ店は有ります。有りますが…私の知る限り、この店は違う。
そういった事で、例えば警察を呼ばれたりしてトラブルが続くと、場合によっては営業停止なども有り得ますので、料金についてはきちんと説明していたはずです。
大方酔いが回って、飲み放題ではないお酒やフルーツなどを、他のテーブルを見ていて「私もアレ持ってきて!」と言ったんでしょう…。
その時、担当のホストが「あれは別料金です」と説明したはずですが、酔いが回って気が大きくなり、「いいよ持ってきて!」なーんて有りがちな話です。
担当ホストは、それまでのニコヤカな顔から、すっかり変わり果てた怖い顔で「お客さ~ん、困るんっすけどねぇぇぇえ」になっちゃってるし。
まぁ当然ですよね。
『大口のお客』と思って様々な傍若無人にも耐えたのに、期待通りの「お客様」では無かったわけだから。
お嬢さんAは起きないし、お嬢さんBは泣き出したし。
放って帰っても良かったんですけど、何か後味が悪い。
『誰でも、知らない事は1回くらい失敗するしなぁ…』と思い、ノコノコ出て行って、「オーナー呼びなさい」と言いました。
担当ホスト「え、でも…」
私「いいから。この子の年齢確認した?万が一未成年者なら、この店、営業停止だよ」
担当ホスト「げ…すぐ連絡します」
この時、お嬢さんBが何か言いたげだったので、おそらく成人はしてたんでしょう。
ですが、耳元で「いいから、合わせてね♥」と言うと、心得たようです。
結局、AちゃんBちゃん2人合わせて所持金は3万円ちょっと。
オーナーが来てお話した結果、消費したお酒の原価+当初の約束である5千円×2。
3万円ではチョイと足りないものの、そこで何とか手打ちにして貰える事に。
随分渋い顔をしてましたが、凄まじいお会計になる前に、もうちょっと店側もしっかり確認すべきでしたね。
今ここで騒ぎにして、警察と救急車を呼ぶなら、店内の他の未成年客も大急ぎで帰さないといけませんし。
「私のお願いを聞いてくれないなら、以後は私は勿論のこと、私の店のホステスは、一切この店に遊びに来なくなりますよ」
「ここで情の有るとこ見せてくれれば、私も安心して、これまで以上に遊びに来られますよね」
大体こんなお話になりました(笑)
ホストの歩合はオシャカ
取り敢えず、意識の無いAちゃんを3人がかりでタクシーへ運び、Bちゃんに「おうちどこかな?」と訊くと、東大阪と言う…。
仕方ないので、5千円をドライバーさんに渡し、ゲロ袋を持たせて
「今日はもうこれ以上人に迷惑かけたらダメだよ♥気をつけてね」
と見送りました。今思うと、あれお金足りたのかな?(無責任)
同僚には「アンタ馬鹿でしょ」と呆れられ、ホスト軍団には「○○(私)さんって、ホスト以外には優しいんすね!☆」などと失礼な事も言われ、席に着いていた気の毒な「徒労ホスト軍団」のため、めはり屋(美味しいんですよ♪)のご飯を注文して、お義理で飲まない(飲めない)ボトルを新たに1本入れて、くたくたに疲れてその日は帰りました。
これって私、いい人に見えるでしょ?違うんだな~。
この日、お嬢さん達が支払うはずだったお金には…担当ホストの歩合が含まれていました。
だからこそ、身体を酷使して色々我慢したんだけど、当然それはオシャカです(笑)血反吐を吐く思いで飲んで、1日潰したのにね。
それと、入れたボトルは私は飲めないけど、私のヘルプか同僚が飲むし、気を遣ったオーナーさんがその後、何度か私の店へ挨拶回りに来て下さったので私自身は損してない…十分ペイしたんですよね。
ですが、当時はこういう「料金トラブル」が結構多く、抱えてしまった莫大なツケの為、お水や風俗に足を突っ込む女の子も居ました。
そう考えると、『あの店のオーナーさんの温情裁量は中々良心的だなぁ』と今でも思うわけです(脅したんだけど)。
この日、私の担当ホスト(先輩)は他店へ行ってたみたいですが、慌てて帰って来て、「俺の仕事を取るなよー」と言われました(笑)
皆様、アルコールに呑まれないよう、ご利用は計画的に☆
気が向いたらまだ続くかもしれません。
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